マンション管理を見直す
見直すことが必要だと分かっていても、具体的にどのようにしてその見直しを行えば良いのか分からない、そんな方が多いのではないだろうか。
物事を難しく考えると前には進めないし、そこで断念されるケースが多いように思える。そうなると結果として何も変わらない。これがマンション管理の見直しの障壁ともいえる。
当たり前のことを当たり前に行う
問題点が分かれば、それを当たり前に正す、ただそれだけのことである。なので、難しく考える必要はないと思う。
当たり前にとは、管理組合自身で物事を決めることにある。
これに賛同される方はきっと多いのではないだろうか。
では、それとは逆に「管理会社が物事を決める」だったらどうだろう。
きっと多くの方が違和感を覚え、中には反論を唱える人が出てくるのではないだろうか。
当初のマンション管理の仕様というのは、受託している管理会社が全て自分たちの考えで決めたものになる。きっと多くの方は、それが当たり前に思っているに違いない。でもよく考えてみると、そこには管理組合の意思が全く反映されていないことに気付くはずだ。
それが5年、10年、20年と続く、その先にあるものはきっと多くの後悔である。これは個人的な意見ではない。見直しを行った管理組合の共通した意見でもある。
マンション管理適正化法が創設された理由、マンション管理士が誕生した理由、全てが適正管理の実現にある。その実現には、当事者である管理組合の自主性が求められる。
自主性とは、自分達のマンションのことは自分達で考える、この考え方を指し示す。
私が住んでいるマンションは、それを知れたから当初に大幅な管理の見直しを行った。20年経った今、後悔という言葉は見当たらない。
見直しのポイントは3つある
▶ 適正価格を知る
複数の業者から見積りを取り寄せ相場価格を知る。それが実勢価格(適正価格)となり得る。これは全ての業務に共通することである。
▶ 仕様の内容を比較する
適正価格を把握したうえで、次にやることは仕様の比較である。安かろう悪かろうでは困る。だから、業務内容の比較を行う必要がある。これも全ての業務に共通することである。
▶ 契約形態の見直し
管理会社に一括発注する。普通考えれば1社に集約すればコストは安くなる(合理化できるからコストは下がる)。だが現実的には割高なのが実情ではないだろうか。だから直接業者と個別契約した場合の見積りを取り寄せてみる。一括契約した場合と個々に契約した場合を比較検討することが望まれる。
<補足>
エレベーターの保守点検など、独占で排他的な業務も中には存在する。だか別の角度で見直しは行える。詳しくはこちらの記事を読んでほしい。
業者と個別契約した場合の管理会社の義務について、詳しくはこちらの記事を読んでほしい。
▶ マンション管理会社|契約外の業務でも管理会社には義務がある!
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まず適正価格を知ることから始めてみる。現在の価格と適正価格を比較することで問題意識が持てるようになる。当初の価格設定は競争の原理が機能していないから管理会社の言い値になっている。
初回の管理会社にこのパターンが多い。デべロッパー系列の管理会社は営業せずに管理がもらえる。そこには競争という概念が存在しない。だから、サービスの質が悪い、価格が高い。
私はこのデべロッパー系列の管理会社に居たからそれに反論はできない。また、ネットで調べて見れば、多くの記事がそのように語っているが、あながち嘘ではない。
マンション管理を見直すことは、価格の適正化、それとサービスの質を競争によって上げること、この2つが目的になる。
価格を抑えてより良いサービスを提供する。企業間の競争で勝ち抜くためには当たり前のことであり、それが企業努力というものだ。
見直し=競争を生ませる、この方程式はマンション管理に限ったことではない。
当たり前のことが意外とやれていない。なので、マンション管理の見直しのポイントはそこにあると思う。