スマートフォンが普及している現在、FacebookやTwitterなどのSNS(ソーシャル ネットワーキング サービス)やインターネットなど、この小さな端末ひとつで色んなことができるようになった。
中にはスマートフォンは苦手という方や、文字が小さいから読みづらい、そんな理由で従来の携帯電話(俗にいうガラケー)をそのまま愛用されている方もいらっしゃると思う。
マンションの理事会などがスマートフォンで出来るとしたら、外出先や出張先でも参加できるから、とても便利である。
企業の社内でよく利用されているLINE、それを管理組合の理事会などの話し合いに用いたり、お知らせなどの周知として活用できなくはない。だが、全ての方が利用しているわけではないし、それを押し付けるのも個人的には気が引ける。全てに言えることだが、強制は陰の反発しか生まないと思う。
皆さん、「サイボウズLive」というサイボウズ株式会社が提供しているウェブアプリケーションベースの無料グループウェアサービスをご存知だろうか。このサービスはほとんどの端末で利用ができるから、管理組合の管理運営のネット化を行う上で有効活用できる。
チャット会議ができたり、伝言掲示板があったり、その書き込みに対して「いいね」が付けられる。この「いいね」は、その意見の評価を知る上で分かりやすい。そして共有フォルダーがあるから、管理組合の総会議事録などの電子化として活用できるし、いつでも閲覧することができる。おまけにアンケート機能、施設予約機能まで付いている。
当然、ログインするためには、IDそしてパスワードが必要になる。
しかも無料で利用できるから、特に管理組合の場合、費用のことで揉めなくてすむ。なので、このサービスは利用しやすいと思う。
だが、無料のサービスは長くは続かない(笑)。このサービスは、2019年4月15日付でサービスが終了する。
マンション管理は継続的に行うものだから、一時的なサービスでは意味はないし、それに慣れてしまえば、廃止になるとその後が何かと不便になる。
無料だと終了リスクを背負うし、それが仮に有料であったとしても、利用者が少なければ、そう遠くない日にサービスは終了するだろう。逆に利用者が多くても、競合他社が増えれば、民間企業だから倒産・廃業・事業撤退も考えられる。
数年前、私の住んでいるマンションで、この「サイボウズLive」の話が総会で上がったとき、組合員の方から「無料サービスは長くは続かんだろう」、まさにその通りである。
LINE株式会社が提供しているLINEも無料で使えるから、グループチャットとして利用することは可能だが、無料の裏側にあるのは「情報の漏洩」「情報の乱用」、そこがどうも気になる。無料では経営は成り立たない(笑)。
公益社団法人マンション管理センター(国土交通大臣の指定を受けたマンション管理適正化推進センター)が国土交通省の補助事業として運営している「マンションみらいネット」というシステムがある。(詳しくはこちら)
この「マンションみらいネット」は、管理組合の運営状況や修繕履歴などの情報をマンション管理センターのコンピュータに登録し、登録情報の一部をインターネットにより公開するシステムなのだが、利用されている管理組合は少ない。
利用者が少ないのは、有料であること、認知度が低い、必要性を理解できていない、他にも理由はあるだろう。
登録したマンションは、マンションの物件概要、管理組合の会計情報、管理規約の内容、長期修繕計画の内容、修繕履歴、書類の保管状態など、計111項目を開示できる。
これらの登録情報は、誰でもインターネットでそのマンションの管理情報を閲覧することができる。参考までにリンク先を下に貼っておく。
このシステムは、マンション内の情報の蓄積や共有のツールとして、管理組合内で電子化した文書などが閲覧でき、電子化した竣工図面なども蓄積できる。それと管理組合(理事会)の掲示板機能もある。
マンションみらいネットの活用にあたっては、管理組合によって様々な意見があると思うが、一度は検討された方が良いと思う。
私が住んでいるマンションでは、このシステムが開始された2006年の翌年に総会で話し合い、「ペーパーで事が足りる」という理由で利用はされなかった。
あれからずいぶん時間が経つのだが、このシステムに関わらず、管理組合の資料関係の電子化について、今それを管理組合内で話し合うとしたら、当時とは違う意見が出るかも知れない。
ネットを活用するのが当たり前の時代だから、ネットを通じたマンションの情報発信というのは、これから益々必要になってくるのではないだろうか。
マンションみらいネットに限らず、自分たちのマンションのホームページを作って外部へアピールする、そんな時代がそのうち来るのではないだろうか。