マンション管理

マンション管理|新築当時の管理仕様には無駄がある!

2017年4月16日

 

ここでいう「管理仕様」とは、マンション管理を行うために必要となる業務項目を指す。エレベーター保守点検費、清掃業務費、管理人の業務費などがこの項目にあたる。

この管理仕様は管理費と直結するので、不要なものは排除し、必要なものをとり入れる、これがマンション管理のコストの健全化に繋がる。

 

マンション管理は家計のやりくりと同じ

各家庭において、家計のやりくりは生計を立てる上で欠かせないことだ。特に子だくさんの家庭では何かとお金がかかる。必要なものにお金をかけ、不要なものにはお金はかけない。節約や倹約を意識している家庭が多いと思う。

 

マンション管理も同じことがいえるのだ。各所有者がお金を出し合って、自分達が所有するマンションを維持保全しているわけだから、健全なお金の使い方が望まれる。

 

新築当初のマンションの管理仕様

新築当初のマンションの管理仕様は、マンションが建設される前に策定されたものだ。だから実情に見合わないケースが多い。

マンションが建っていない段階で管理仕様を決める、この考え方がまず間違っている。マンションを販売するときに管理費が必要になるから、あえてこの時期に決めているに過ぎない。

あくまでも暫定的な管理仕様に過ぎない。このことをまず知っておいてほしい。

 

マンション毎に管理仕様は異なる

新築当初に管理会社が策定する管理仕様は、金太郎あめと同じだ。

 

 

金太郎あめ ☞ どこを切っても同じ=どのマンションも同じ

 

本来マンションの管理仕様というのはマンション毎に異なる。なぜなら、立地環境、入居者の家族構成、居住人口、利用頻度、所有者の価値観などがマンションそれぞれ異なるからだ。

それに管理組合の意見が全く反映されていない、これが管理仕様の一番の問題点だと思う。



管理仕様は無駄が多い

管理会社が策定した管理仕様は売上に直結する。だから無駄な仕様が多く存在する。それに最初の取り決めが重要なのだ。

管理組合発足後、管理仕様を変更するのは正直容易ではない。なぜなら、管理会社が決めた管理仕様を自ら変える提案はしないし、また変えないように仕向ける。期毎に変わる理事会も管理会社の意見に従うケースが多い。

無駄の例を挙げる。

清掃回数が過剰に多い。汚れている箇所と汚れていない箇所の清掃頻度が同じ、これも金太郎あめの典型だ。

本来汚れている箇所にコストをかけるべきだ。汚れの少ない箇所は回数を減らせばいい。

清掃方法にも色々と手法がある。マンションの実情にあった管理仕様に見直すことで、マンションは常にきれいな状態でいられるし、費用対効果もある。それにコストも圧縮できる。

自動扉の点検も新築当時から点検回数が年4回のマンションがある。これは法定点検ではない。任意の点検だ。1回当りの点検費が1万円から2万円程度かかる。築後10年までは年2回の点検で十分である。

仮に1回当りの点検費が2万円として10年間の無駄を算定してみる。

見直しをしなければ2万円✕年4回=8万円、10年間で80万円の自動扉の点検費がかかる。

見直せば2万円×年2回=4万円、10年間で40万円の点検費になる。ここで40万円節約できる。

それに2万円は自動扉の点検費の定価だ。他社の見積りを取り寄せれば5千円程度は安くなる。ここでも競争の原理をとり入れるべきだ。さらに10年間で10万円が節約できる。

管理の業務項目は多いので、小さな積み重ねで大きな節約が実現できる。これが賢いマンション管理の手法である。お金が捻出できれば本当に必要なものにお金が遣える。例えばバリアフリー、防犯カメラの設置などが挙げられる。

これらはお金がないから総会で否決されるケースが多い、だったら無駄な費用を削減し、浮いた費用で必要なものに遣う。その努力に対して誰も文句は出まい。これが賢さである。

 


 

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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