見積りには経費が掛かる
見積りの依頼内容によっては、かなりの手間を要することがあります。業者が客先に出向いて見積りを行えば、当然にその分の時間が掛かりますし、ガソリン代とか駐車場代などの経費が発生します。さらに見積書を作成する際にも時間と手間が掛かります。
チラシや広告などによく掲載されている「見積り無料」、敢えて無料をアピールしている理由はそこにあると思います。
客側からすれば「見積り無料は当然だろ」、そのように感じるでしょう。これは客側の捉え方であって、業者側からしてみれば、仕事を貰うことを前提に見積りを行う、そこに大きな違いがあります。
最初から仕事が貰えないと分かっているのなら、大半の業者は言い訳をこしらえて、その見積り依頼は断るでしょう。掛かる経費に対して仕事が得られなければ企業の経営は成り立ちません。
マンション管理においても、色んな業者から見積りを取り寄せることが多々ありますが、そこで注意すべきことがあります。今回、それについて語りたいと思います。
後出しジャンケンは得をする
工事の実施に際して、複数の業者から見積りを取り寄せる、これが今では当たり前になっています。最初に見積りを行う業者は、直接現地に出向き、現状を把握し、数量やメーカーを調べ、そして提案などを交えて、それを見積りに反映させています。
状況によっては、理事会などの会合に参加して、見積り内容の説明、工事内容の説明を行うこともあるでしょう。大きな工事ともなれば、説明する機会は増えます。
しかしながら、最初の業者の見積りをベースに相見積りを取り寄せるケースが意外と多く見受けらます。
数量、メーカー、仕様などが決まっていれば、数字を当て込むだけ…
相見積りの場合、手間が省けるので見積金額を下げることは可能です。結局のところ、「後出しジャンケンは得をする」ということになります。
労せずして得られるものはない
前述の後出しジャンケンの業者が安いからという理由でそこに決める、果たしてこのやり方が適切だとは思えません。現場を見ずに見積書なんて普通作れませんからね。
私の管理会社時代に何度これに遭遇したことか…(悲)
見積書を提出しても音沙汰無し、これが何度も繰り返されると業者側は不信感を抱くようになります。そしてそのうち敬遠するようになります。業者によっては、そこのマンションはいつも見積依頼だけとはっきり断るところもありますし、敢えて高い見積書を提出するようになります。
もう受けませんよと言わんばかりに…
本音を書くブログなので、率直に書いてしまいましたが、企業で営業をされている方ならこの気持ちは理解できると思います。
見積りに至るまでの過程…
業者選考にあたって、見積りに至るまでの過程というのは配慮すべき点だと個人的に感じます。
現地に出向かない、ただ数字入れだけを行う業者…
果たしてそんな業者を信用できるでしょうか。
後出しで見積りに参加する業者の中には、現地に出向いて同じように時間を掛けて見積りを作成するところもあります。業者によっては、独自の提案見積りを本旨とは別に提出されるケースもあります。
現場確認をしないと正しい見積りなんて出せません。見積りまでの過程というのも大切です。業者選考時にはそこも考慮に入れるべきだと思います。
見積書の作成にも経費は掛かります。そこを履き違えると業者はどんどん離れていきます。賢いやり方、交渉上手とは、相手のことも理解して成り立つものだと思います。
余談になりますが、ネット上に〇〇一括見積り無料サイトがずいぶん前から横行してますが、そのサイトに登録した業者が約定に基づきサイト運営者に対して利用料を支払っています。
無料と謳いながら裏側ではお金のやりとりが行われている、見方を変えれば、客側が間接的に利用料を支払っていることになります。
業者側としては、そのサイトに登録しておけば、お客様を紹介してくれるから利用価値はありますが、問題は利用料の額なんですよね。ずいぶん前の記事になりますが、興味があれば読んでみてください。👇