マンション管理

管理費会計の長期収支計画を策定すべき!

2019年7月17日

 

マンションの管理組合会計では、結果よりも予算に重きを置くとされています。

企業であればこの逆かも知れません。売上・利益を出さないと企業は存続できないため、結果の方が重要視されます。

管理組合は、売上・利益を出すことが目的ではないため、予算に準じてマンション管理を行うことになります。これが予算準拠という考え方です。

予算というのは、翌期の事業を行うために掛かる経費を予測し算出されます。この予算と決算の繰り返しで管理組合の会計が行われています。

ここで注意したいのは、単年ベースの会計の捉え方では、将来的な部分まで把握できないということです。

企業で重要視されているのが事業における長期収支計画です。5年10年先を見据えた収支計画になりますが、管理組合会計においてもこの考え方が必要です。

修繕積立金会計には長期修繕計画に基づいた収支計画(資金計画)というのがありますが、管理費会計には将来を見据えた収支計画がありません。

管理費会計の収支は固定されている、これが作成されない理由になるかも知れませんが、管理組合の支出は、消費税の増税、共用部の保険料の値上げ、点検項目の増加、社会的なニーズの変化などにより、これまでの経緯を踏まえれば確実に増えているのが実情です。

それに不定期に生じる業務項目も存在しますので、単年ベースの予算の捉え方というのは本来リスクを伴います。



不定期の業務項目を列挙します。

▶ 特殊建築物定期検査(3年毎)
▶ 排水管洗浄(数年に1回 ☞ 管理組合毎に異なる)
▶ 連結送水管耐圧検査・消防ホース耐圧試験(築10年後に実施、その後3年毎)
▶ 特殊清掃(高所箇所の窓ガラス清掃 ☞ 管理組合毎に異なる)

他にも存在すると思いますが、これらの不定期の業務が発生する年は支出が増えますし、新たに増えることも予想されます。そこで、管理費会計が資金ショートすることが起こり得えます。

なので、単年ベースで予算を組むだけではなく、長期的な視点で予算を組むことが必要になるわけです。

修繕積立金と同じように20年、30年の収支計画を設け、必要に応じ見直しを行っていく、そうすることによって、管理費会計の予算はより健全に組めると思います。

これまで見えなかったものが、収支計画を作成することにより、見えてくるものがあるかも知れません。私は多くの問題点をそこで知り得ました。

実際に作成している管理組合があります。委託先の管理会社に言えば無料で作成してもらえるはずです。

収入の管理費、専用使用料は固定、駐車場使用料は借り手の需要によって変動しますので、将来を見据えた予想値を入れます。支出のところに定期、不定期の業務費用を入れることで簡単に作成できます。

管理費会計の収支の推移を把握できますし、これにより資金ショートが起きないか確認できます。それに管理費会計の剰余金を修繕積立金会計に繰り入れする際に役立ちます。

マンションは先を見据えることが大切です。先見性を持つことで問題点を早期に発見することができ、早めに解決できます。この考え方がマンション管理には欠かせません。

 


 

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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