因果関係とは
因果関係とは、ある出来事が直接的に別の出来事を引き起こす関係のことを意味します。この因果関係は問題を解決する上でとても重要になります。特に建物や設備の不具合においては、それを知ることで問題点がはっきりと見えてきます。
結果にはそれに至った原因があります。逆に考えれば、原因が結果を招きます。建物や設備の不具合においては、抜本的な問題解決が求められますが、そこで重要なのが原因の解明です。
原因を疎かにすると…
その原因は何なのか、解明しないまま事にあたれば、また同じことが繰り返えされます。
結果として「無駄にお金を費やす」「時間を費やす」「マンション生活に支障をきたす」ことに繋がります。
新築分譲マンションや大規模修繕工事には、アフターサービスという手直し保証というものがあります。
保証期間内に不具合が生じた場合、無償で手直しを行うサービスになりますが、原因を軽視した手直し(場当たり対応)がそこに存在したりもします。
何か不具合が生じた場合、分譲会社や工事会社は最も費用の掛からない方法を最優先します。
無償サービスの本質がそこに垣間見れます。
原因の解明がなされずに手直しが施されたり、逆に原因が解っていてもコストの掛からない手直し方法を採用するといったケースが目に付きます。
いい加減な手直しを行うとまた手直しが必要になります。そこで保証期間が切れるとどうなるでしょう。やるやらないのトラブルに発展します。この手のトラブルはアフターサービスでよく見られます。
これはマンションに限ったことではありません。
就業中の自動車事故が絶えない企業の例を挙げます。事故が絶えない企業では「事故が多いから皆さん安全運転に心掛けてください」、朝礼でこのような呼びかけがなされています。
そして事故が起きる度にこの声掛けが繰り返されます。これでは事故は防げません。
なぜなら、事故が多いという結果だけを社員に呼びかけているからです。事故原因は何だったのか、そこを周知しないから事故は再び起きます、それが頻発に繋がっています。
結果の事象には必ず原因があります。この原因を疎かにすると再発は防げません。
原因を知ることの重要性がそこから窺い知ることができます。
因果関係の理解=予防管理
マンション管理においては、「場当たり管理」「事後対応」といったケースが多々見受けられます。詳しくはこちらの記事👇
設備が壊れたから修理や交換を行う。違法駐車が起きたからその対応策について考える。修繕積立金が足りないから資金不足を補うために借入や値上げを行う。いずれも事後対応に該当します。
結果に重点を置くと「事後対応」になります。逆に原因に重点を置くと「予防管理」が行えます。マンションは何かとトラブルが多いから予防管理の方が望まれます。
私の管理会社時代に「予防管理」の必要性を説いていましたが、そこで管理組合の皆さんから「壊れたら修理すればいい」「お金がもったいない」、よくこの言葉が返ってきました。
中には「管理会社が儲かるだけでしょ」、そんな言葉もありましたね(苦笑)。
今だから言えますが、故障や事故が起きた際のトラブル対応って結構しんどいです。そして解決に至るまでにかなりの時間を費やします。
そこで住人さんから「早くしろ!」「管理会社は何をやってるんだ!」「対応が悪い!」って散々文句を言われます。私の住んでいるマンションでもそんな光景をよく目にします。
この大変さを身をもって知れば、予防管理の重要性に気付くと思います。(予防管理の必要性をあの時に伝えたのに…)
ちなみに私は、自分のマンションの管理会社に対してあまり口出しはしません。内情が分かっているだけにそうしてます。