マンション総合保険

マンション管理組合|過去の事故件数によって保険料が大きく変わる!

2021年6月13日

 

 

更新契約の意識改革

マンション総合保険の値上げは、近年では当たり前になっている感があります。コロナと同じで「慣れ」というのは危機感が薄れるから、本当に怖い慣習のひとつですね。

値上げ前は、更新時期が近付くと同じ保険会社で更新するとか、管理会社に勧められた保険会社に変更する的な流れになっていましたが、これが通用したのは、保険会社はどこも同じ的な考え方がそこにあったからだと感じます。

ところが、ここ数年の僅かな期間に保険料が幾度となく値上げされたため、最長5年の長期契約に変更したり、複数の保険会社から見積りを取り寄せるといったケースが増え、こうした更新契約に対する意識改革が起きています。

こうした最中、管理組合を悩ませる大きな課題がまたひとつ突き付けられました。それは事故件数によって更新時の保険料が大きく変わるという保険会社による査定条件の提示です。

自動車の保険と同じで、事故歴に応じて保険料を割り引いたり、割増しする制度が今後用いられるということです。保険会社を変える際にも事故歴は関係してくるので、保険を使う際は特に注意が必要です。



事故件数によって保険料が大きく変わる!

更新契約にあたり、最長5年の長期契約にするとか、複数の保険会社から見積りを取り寄せるといった保険料の値上げ対策は、近年では当たり前になっています。今後はそれに加え大きな課題が加わります。

過去の事故件数によって更新時の保険料が大きく変わる、これが大きな課題です。この事故件数がカウントされる時期というのは、保険会社毎に異なり、次回の保険開始日(保険始期日)から6ヶ月さかのぼった1年もしくは2年の期間が対象となります。言葉で説明するよりも、下図の方が分かりやすいので見てください。

 

 

この1年もしくは2年の期間内に保険料を受け取った事故が対象となりカウントされます。なので、この事故件数によって次の更新契約時の保険料が決定される仕組みに変わります。またこのカウントは、事故の大きさ(保険料の大小)に関わらず1事故として扱いがなされます。

当然のことながら事故件数が増えれば保険料は高くなりますし、逆に少なければ保険料を低く抑えることができます。なので、この対象期間内の事故件数というのは、直接保険料に影響が出るため、現在加入している保険会社を含め、保険会社各社の対象期間を事前に把握する必要があります。

≪保険会社各社の対象期間を調べてみました。≫

▶ 損害保険ジャパンの対象期間は1年

▶ 東京海上日動の対象期間は2年

▶ 三井住友海上の対象期間は2年

▶ あいおいニッセイ同和の対対象期間は2年

▶ 日新火災海上の対対象期間は2年

 

それと保険会社毎に事故件数によって保険料がどのような割合で変化するのか、事前に知ることができますので、前述の対象期間を含め一覧表にまとめておくと後の更新時に役立ちます。

これらの情報(資料)は、保険代理店にお願いすれば書面でもらえると思います。委託先管理会社が保険代理店の場合は、面倒な一覧表まで作成してくれると思います。管理会社からしてみれば大きなお世話かも知れませんが(笑)。

 

軽微な事故なら自費がお得?

これまでは、事故の大きさに関係なく保険で使えるものは使えという考え方がまかり通っていましたが、これからはそういうわけにはいきません。

前述のとおり、事故の大きさ(損害額)は関係ありませんから、軽微なものでも1事故、甚大な事故でも同じ1事故として扱いがなされるので、軽微(少額)な事故の場合、保険を使わなずに自費で支払うといったケースも出てくるでしょう。

保険はなるべく使わないようにする、この考え方がこれから必要になってきますが、見方を変えれば「保険は使わないでね」って言っているような気がして、そもそも保険って何のかを問いたくなります。

管理組合によっては、共用部の保険には入らないといったケースが今後出てくるかも知れません。ここまで条件が悪くなるとそういった考え方も出てきても不思議ではありません。しかしながら、保険未加入というのは究極の選択であって、管理組合にはなじまない選択肢です。そこで、個人賠償保険を共用部の保険から外すといった検討が今後増えるものと思料します。(詳しくはこちらの記事👇)

マンション管理組合|個人賠償責任保険特約の加入を巡る議論!その答えは…

そもそも、保険料値上げの事の発端は、建物の漏水事故が増えたことによるものです。だったら、漏水事故に関わる保険適用条件をかなり厳しくすれば、全体的な保険料の値上げは防げたと思われますが、そう考えるのは私だけでしょうか。

給排水管からの漏水事故は保険申請すれば何とかなる的な考え方がもしそこにあるとすれば、老朽化対策も先送りになるでしょうし、健全なマンションなんて理想で終わります。

見方を変えれば、事故を起きないようにするための予防保全が一層求められる時代が来たということでしょう。

マンション管理の予防保全と事後保全について

マンションの給排水管のメンテナンスは計画性と中身が大切!

 








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