建物・設備関連

マンションの給排水管のメンテナンスは計画性と中身が大切!

2021年3月3日

 

 

マンションの給排水管のメンテナンスについて、誰がいつどのようにして行うのか、明確な取り決めがなされているだろうか。

 

 

明確な取り決めがなされていないと…

古くなったマンションでは、漏水事故が多発し、ようやくそこで配管の老朽化への関心が集まり、対策について検討をし始める。これは漏水による被害が起きてからの「事後検討」ということになる。本来なら、生活に支障をきたす前に検討すべきなのだが…

 

 

長期修繕計画の中身に注意!

長期修繕計画に給排水管の修繕項目、それに関わる費用が計上されているから安心、果たしてそうだろうか?

 

その修繕工事の範囲はどこまでなのか、どのような修繕内容になるのか、個人で行う工事はあるのか、それを管理会社に確認しても明確な答えが返ってこないケースもある。

 

私の住んでいるマンションがそれだった。管理会社が有償で作成しているにも関わらず、この回答だから始末におえない。

 

なので、長期修繕計画に記された給排水管の修繕工事については、その工事内容、修繕周期、個人で行う工事の有無など事前に把握する必要がある。そして状況によっては見直しが必要になる。

 

長期修繕計画に給排水管の修繕項目が除外されていたり、中には計上されている費用が明らかに実勢金額と異なるケースが見られる。まずそこを確認する必要があるだろう。

 

給排水管の修繕工事は多額を要する!

給排水管の更生工事(延命工事)、更新工事(取り替え工事)、いずれにしても工事費用はかなり掛かる。共用部分、専有部分に属する配管に関わる費用負担は、管理組合にせよ、個人にせよ、結局のところ所有者が負担することになる。

 

管理組合で行う場合、予算を組む必要になるし、個人で負担する場合は、事前に資金を用意しなければならない。数十万円ものお金を急には出せない家庭が多いと思う。

 

 

意外と根拠のない金額が長期修繕計画の中に計上されていたりもするから、長期修繕計画に記された費用が適切なのかチェックは必須となる。

 

長期修繕計画に給排水管の修繕項目が無い場合は、計画期間中または計画後に多額の費用が発生することが考えられる。そこにも注意を払う必要があるだろう。

 

給排水管の耐用年数って?

マンションの給排水管に使用されている部位毎の部材の種類を把握することが耐用年数を知る上で必要不可欠となる。それぞれの部材の種類によって耐用年数は異なる。

 

ただし、耐用年数というのは、利用状況(使用頻度)、外因(地震など)、寒暖などの環境、新築時の施工方法や施工精度など色んな要素によって変わってくる。

 

なので、一般的に言われている耐用年数は目安にはなっても、実情とは異なるケースが多い。

 

知識習得と明確な取り決め

私の住んでいるマンションでは、共用部分、専有部分の給排水管の全てを管理組合の負担で行い、長期修繕計画に全体の工事費用が計上され、そして管理規約もそれに併せて見直しを行っている。

 

給排水管についての知識を得るために、複数の専門業者から情報を集めたり、セミナーに参加したり、そこで色んなことを学んだ。専門業者は現場を熟知しているから本当に参考になる。

 

そこで培ったことを長期修繕計画に活かしている。

 

更生工事の活用

更生工事は、配管内部の錆などの防食の進行を抑えるため、そして配管の寿命を延命させるために行うものである。私の住んでいるマンションでは、更生工事の実施計画を長期修繕計画の中に組入れている。

 

仮にマンションの寿命が60年だとすれば、途中で更生工事を行った方がトータルコストは低く抑えることができる。

 

更生工事に用いられているライニング工法は、給排水管の内部を研磨剤などで洗浄して汚れやサビを取り除き、防食用の樹脂を配管の内面に塗膜させる工法であるが、専門業者によって施工方法は若干異なる。

 

給排水管の老朽の度合いによっては、この更生工事が行えないケースがある。(例えば、配管に穴があいているなど)

 

ライニング効果が5年から10年、更生工事後は更新工事しかできない、そんな説を唱える方がいらっしゃるが、5年しかもたない更生工事なら最初からやらない方がいい。お金の無駄遣いに終わってしまう。



リフォーム時には注意!

給排水管のメンテナンスの事前の取り決めというのは本当に重要である。そのマンションを中古で購入される方にとっても、同様に重要となろう。

 

近年、中古マンションを購入し、スケルトンリフォームをされるケースが多いと聞く。そのリフォームの際に床材を全て張替えたりもする。

 

 

リフォームを行う際は、事前に管理組合に申請する必要がある。そのマンションに明確な取り決めがあるとすれば、床下にある給排水管のメンテナンスに関する助言がそのときにできるだろう。

 

例えば、3年後に給排水管の取替工事を管理組合が一括して行う計画がある、それを告げればリフォームのやり方が変わってくる。というか無駄がないように変えられる。

 

給排水管の取替工事を個人が行う取り決めがあれば、そのリフォームの際に給排水管の取り替えが行えるし、それを行うことで階下の住戸の方も安心できる。

 

逆に明確な取り決めがなされていないと、リフォームの申請があっても適切な助言はできないだろうし、聞かれても困るだろう。

 

 

リフォームを行った後に給排水管の取り替えは難しい。そこに注意を払う必要がある。前もって知っていればの論争に発展しかねない。

 

給排水管はその住戸だけの問題ではない。全体の問題として考えるべきである。そして漏水事故が頻発する前に修繕は行うべきである。黙っていても誰も助言などしてくれない。管理会社は事なかれ主義…

 

マンションの給排水管は計画性中身が大切だ!

 

 


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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きで本音で語っているので、是非読んでみてください。

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