分譲マンションの管理会社には「フロントマン」と呼ばれる社員がいます。フロントと呼名がついているのは、そのマンションの窓口的な担当者という意味に由来します。
フロントマンは、複数のマンションを担当し、総会とか理事会の運営をサポートしたり、トラブル等の対応にあたっています。
未経験者からキャリアの長い方まで、内情として能力に格差があります。そこで管理組合からみれば、信頼できるフロントマンとそうでないフロントマンがいて、管理組合の不満がつのれば、担当者を代えてくれという話になります。
そこだけみるとフロントマンの個人の能力に問題があるように思えますが、元業界人として言わせてもらえば、フロントマンの良し悪しは、管理会社の経営陣の考え方によって大きく左右されます。
例えば、やる気のないうフロントマンが居たとすれば、そのフロントマンを雇用している会社(経営陣)側に問題があると言えます。
例えば、人望もなく仕事をしていない経営陣に部下たちはついていきませんよね。でも給与をたくさんもらえるのなら、私なら割り切って頑張ります(笑)。
管理会社のフロントマンが頻繁に代わる会社は、内情は問題だらけということです。転勤で交代するならまだしも、多くは退職による交代です。しかも数年で何人もフロントマンが代わる会社は、早く見切りを付けた方が賢明です。
仕事量が多すぎて退職に至るとか、遊びほうけている経営陣に不満を抱いて退職に至るとか、パワーハラスメントとか、売上ノルマに押し潰されるとか、給料が安すぎるとか、個々に事情があります。
管理会社は業務の特質上、危機管理体制とかその意識が問われます。マンション管理を行う上で、最も重要視されるところだと思いますが、危機管理意識が低い会社は、顧客とのトラブルが絶えません。
そういった会社は、まず経営陣に問題があります。まさしく経営陣はフロントマンの鏡です。
退職者が多いというのは、見方を変えればそこで同じことが繰り返されているわけで、人材は他にいくらでもいる的な経営方針に陥っている可能性は大です。
欠員が出たから採用するの繰り返し、そこでも見方を変えれば、顧客である管理組合のことを度外視した経営がなされているということです。これは管理員にも会計担当者にも言えることです。
人を粗末に扱う会社に良いサービスなんて期待できません。フロントマンのまた感情を持った人間ですから、会社によって良くも悪くもなります。
あの人は能力がないとか、この業界には向いていない、なんて退職された方に対してそのような陰口を叩く経営陣がいますが、それはこじつけにしか聞こえません。あなたの能力が低いから部下が育たないってきっぱり言いたい。
能力を伸ばせるかどうかは会社次第だと思います。やる気がなくなる社員を生んでどうすんのって言いたい。
管理会社って、採用したら担当者に任せっぱなしで、フォローしない会社が多い、だからフロントマンは行き詰って退職するんです。
それと担当物件の引継ぎが上手くできていない、これも良くある話です。というか担当者が頻繁に代わるから、きちんとした引継ぎがなされず、会社から教えてもらうことよりも、管理組合から教えてもらう方が多いなんて、それって逆ですよね。でも実際にそういったことはよくある話です。
会社が一大事のときにのんびりゴルフ、そんな常識の欠いた経営陣がいます。そんな会社に大事なマンションを委託することはできませんよね。
過去に不祥事が起きた管理会社の多くは、担当者に任せっぱなしです。そこで横領などの不祥事が起きるんです。それを野放しにしてきた会社をまず責めるべきです。
そういった会社に限って、当人だけが悪いと言い訳をこしらえて正しく反省しない、だから何度も不祥事が起きるんです。不祥事を何度も起こす管理会社は、経営陣に問題があるとしか思えません。
フロントマンを責める前に会社を責めよというタイトルで記事を書き綴りましたが、何か問題が起きた際は、経営陣の顔を知ることが近道です。理想と現実のギャップに全く気付けない経営陣がいるかも知れません。