私はこれまで、マンションの大規模修繕に関わる癒着とか談合に関する記事をいくつか書き綴っているのだが、これらはお金に関わる問題だけではない。
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癒着、談合というのは、工事受注金額を自分たちで操作すること、そして特定の業者の契約受注を画策する目的があるのだが、他にも問題視すべきことがある。
この癒着、談合には「業者間の馴れ合い」が存在する。実はそれは怖いことでもある。互いに「正しいこと」が言えなくなる。
管理会社がそれに関与していれば、管理組合に対して「正しい助言」ができない、「適正な管理が行えない」ということだ。
これは大規模修繕の設計監理を担うコンサルタントにも言えることだ。
実際に施工した工事に問題が生じても、管理会社は施工会社に対して何も言えなくなる。管理組合に知られたくはない「裏リベートのやりとり」「便宜を図ったという事実」がそこに存在しているからだ。
癒着とか談合を営業手法の一環だと勘違いしている業者が本当に多い。顧客の視点に立てば、もはやそれはビジネスではなかろう。管理組合にとって全く利のないことである。
この癒着、談合というのは、そのマンションに限ったことではない。管理会社、施工会社、コンサルタントの馴れ合いというのは、他のマンションにも波及する。仮にそのマンションで癒着、談合がなかったにしても、この三者もしくは二者が共に仕事をすることになれば、馴れ合いの関係がそこでも生まれることは否めない。
癒着、談合というのは、一度起こればその「既成事実」が存在する限り、互いに真面なことは言えなくなる。そこが怖いところでもある。
けしからん
癒着・談合を必要悪(ひつようあく)って唱える人を稀に見かけるが、完全に道理を踏み外しているとしか思えない。悪の識別ができないようじゃ、この世は終わる。