マンションの建設、その後の修繕工事において、意匠や機能も大切なことではあるが、一番に優先すべきは「安全性」だと思う。
私はデベロッパー、そして建設会社でマンション建設、修繕工事に携わってきたが、業者側の安全性に対する意識が低すぎる、これが実情である。
特に設計事務所に置かれては、意匠重視、これは昔からいえることだが、デザインや機能が優先され、そして最後に安全性、そんな順序でモノづくりがなされている。
マンションで多く使用されている天然の石材、高級感があるから人気が高い。石の表面に光沢が出るように加工されている。これらが床面に使用されると滑って転倒する恐れがある。特に雨天時には滑りやすい。これは天然ものに限らず、タイルなどの人工石にもいえることだ。
そんな石材が意匠重視で今でも使用され続けている。危険が潜むのは床面だけではない、壁面にも危険が潜む。
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石材をモノつくりに使用することを否定しているのではない。用いるのならもっと安全性を重視すべき、そこが言いたい。
マンション(管理組合)によっては、床面の石材やタイルに滑り止めの処理(コート剤)を施すケースが見受けられる。これは安全性への配慮が目的である。こうした配慮が作り手に欠けているから、管理組合が余計なコストを負担しなければならない。
マンションの安全性について、他にも個々に気になるところがあると思う。
マンションの修繕工事、今度は管理組合が作り手になる。色んな仕様について決めなければならない。全てに言えることだが、最優先されるべきものは安全性である。前述の作り手を反面教師に捉えれば理解できよう。
定期に行う大規模修繕は十数年周期で実施される。普段生活する中で、不便に感じること、危険に感じることなど個々に色んな意見があると思う。
安心してみんなが住みやすいマンション作り、それを実現するために住人の皆さんで知恵を出し合い考えてほしい。