管理組合会計

マンション管理組合会計|これを読めば収支予算書のことが分かる!

2023年2月27日



管理費会計の勘定科目の説明

管理費会計/収入の部

管理費・専用使用料

管理費、専用使用料(専用庭使用料、ルーフバルコニー使用料など)は、住戸毎に定められた金額となるため、予算額は実績額(現行金額)と変わりません。

ただし、管理費などの金額改定が発生した場合は、それを反映した年額を計上します。

 

駐車場使用料

駐車場使用料は、契約状況によって変動しますので、予算額の決め方は作成者の判断に委ねられます。一般的には前期実績の金額を計上したり、決算月の駐車場使用料の合計額を12か月分計上したり、予算作成時点における契約状況を踏まえ、年間の駐車場使用料を算定する方法など様々です。

予算額の算定方法については特に決まりはないので、個人的には予算作成時点における契約状況を踏まえ、年間の駐車場使用料を算定する方法を用います。

摘要欄には、予算額の根拠となる表記があれば分かりやすいです。例えば、20区画分の年額計上とか空き無しで年額計上、根拠となる計算式、稼働率90%などが挙げられます。

 

受取利息・雑収入

受取利息は、銀行に預金している金利部分となりますが、不確定なため、敢えて未計上とするケースが多く、雑収入については、前期実績額を計上するのが一般的かと思います。

雑収入に限ったことではありませんが、変動収入の端数処理は、百円単位以下を切り捨てるケースが多いです。

変動収入の端数処理の例👇
実績額38,740円 ☛ 予算額38,000円

以上、収入の部の勘定科目について説明しましたが、管理組合によっては、不在の区分所有者から徴収する協力金、携帯基地局の設置料などの収入があります。

この協力金については、管理組合役員(負担)を免除する代わりに、その対価として支払う費用のことを指しますが、協力金の徴収にあたっては、色んな問題点があるので興味があればこちら👇を読んでみてください。

マンション管理組合|不在組合員の協力金について考える!

携帯基地局の設置料については、法人税法上の収益事業とみなされ課税対象になります。その場合、「支出の部/租税公課などの科目」に納税した費用を計上します。税理士に申告を依頼する場合は、税理士報酬が発生するので、「支出の部/支払手数料などの科目」にその費用を計上します。

近年、生活様式の変化によりカーシェアリングとか自転車レンタルが普及していますが、マンションに取り入れる場合、そういった収入が収益事業に該当するのか、事前に税理士に相談することをお薦めします。他にも自動販売機とか太陽光発電の売電とか、ゲストルームの宿泊料などの収入も同様です。

また、マンションの駐車場を部外者に賃貸すると収益事業とみなされて、課税されることがあります。(詳しくはこちら👇)

国税庁ホームページ



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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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