何かを考えるとき、その何かを自分に置き換えてみたり、客観的に捉えることで、意外と見えてくるものがあります。
例えば、普段生活する中で、相手に対する言動とか要求など、それが過剰かどうかに気付けます。中には気付けない人もいますが…
状況によっては、自分が気付けないだけで無理を言ってたりしてるんですよね。
先日書いた記事のように、時間とお金の関係がそこにあったりもしますし、相手の状況や立場を知らないまま、自分の欲求だけをそのまま口にしてしまうと、陰口を叩かれたり、想定外の出来事が生じたりもします。
なので、相手の立場とか、今置かれている状況などを知ることは大切だと感じます。
特に仕事上においては、その仕事に人が何人必要で、何日掛かるという発想は欠かせませんよね。それにお願いする相手にも都合というものがあります。
それって、マンション管理にも言えます。
管理会社に対する要望が多くなれば、そこで対価としていくら払っているのか、まずそこを意識する必要があると思います。
例えば、限られた時間の中で、管理員さんが清掃を行っている場合、ここが汚い、あそこが汚いなんて平気で口にする住人がいたりもしますが、そういう人に限って、全く状況が理解できていません。
限られた時間の中で、当然に出来ること、出来ないことがあります。時間が短ければ、時間を長くするしかありません。
冒頭で語った「自分に置き換えてみる」、そこで大変さとか、自分ならやれないよねって気付けたりもします。
マンションの住人の中には、自分ならその時間内にこれだけの清掃はできると意気込んで、実際に清掃をやられる方がいます。
私にもできるわけだから、管理員さんもできるでしょと言わんばかりに…
それを果たして継続的にやれるのか、その発想が抜けてるんですよね。
そこに無理があるとすれば、管理員さんは定着せずにコロコロ変わります。
だったら、言い出しっぺの貴方がやればいいじゃん。それが嫌なら、出来る人をご自分で探してくださいって言いたくなります。
これはマンションのフロントマンにも言えることです。
過剰な要望の先にあるのは、様々な限界です。能力的な限界、時間的なもの、対価もそうですよね。
もちろん、過剰かどうかは、受け手の判断になりますが…
多くの要望に対して、断れないのがフロントマンの立場というものです。その要望が蓄積すると、やがて潰れ、そして会社を去っていきます。
そういう人たちを過去に何人も見てきましたからね。
人材不足に陥ると、人材確保のため人件費を上げるしかありません。これが昨今の管理委託料の値上げに繋がっていると思料します。
要望の前に、それって管理会社の仕事なのか、契約内の業務なのか、それって過剰な要望ではないのか、アクションを起こす前に今一度考えてみる必要が大いにあると思います。
ずいぶん前の記事にも書いていますが、私の住んでいるマンションでは、管理組合と管理会社の仕事はきちんと線引きしています。
そうすることで、そこに責任感が生まれ、結果として良好な管理が行えます。
自分に置き換えて考えてみる、客観的に物事を捉えてみる、とても大切なことだと思います。