総会・理事会

マンション管理組合|理事会がやるべきこと!

2018年3月6日

 

マンションの良し悪しは何で決まりますか?

 

 

唐突な質問になるのだが、この回答は人それぞれに異なるだろう。

 

管理会社と答える方もいらっしゃるだろうし、そのマンションの管理組合、そのマンションを購入された所有者、そこに住まれる居住者、マンションの財務状況、維持管理の状態、コミュニケーションなど色んな答えがそこにあると思う。

 

私なら迷わずこう答えるだろう。

マンションの良し悪しは理事会で決まる!

 

これは、私の二十数年間のマンション管理人生で学び得た答えでもある。

 

全ての入口は理事会にある

色んな物事を決めるにしても、問題解決を行うにしても、総会を開催するにしても、理事会という組織は欠かせない。理事会は個々の所有者を代表する立場になる。

 

なので、理事会にはやるべきこと、そう「使命」というものがそこにある。

詳しくはこちら☟

マンション管理組合|理事会に与えられた使命とは!

 

マンション管理の多くを委託先の管理会社が行うにしても、意思決定というのは所有者の皆さんで行う必要があり、権限を持たない管理会社が決めるべきものではない。

 

もし管理会社が決めるとなれば、自分の大切な財産を他人が決めることになる。そこを考えれば、意思決定は誰がなすべきか理解できよう。

 

マンションという財産は専有部分だけではない。所有者の皆さんで共有している共用部分、共用施設、敷地も大切な財産となる。

 

この共有の財産管理を行うために所有者の皆さんで結成された管理組合という組織があって、皆さんを代表するのが理事会という組織になる。

 

この財産管理には使用に関することも含まれるのだが、全ての入口が理事会にある。なので、理事会抜きには物事は進まない。

 

理事会に決裁権のあるものは理事会で取り決め、決裁権のないものについては、総会という管理組合の最高意思決定機関で取り決める。

 

総会での取り決めにあたっては、事前に理事会で議論を尽くし、理事会が素案を用意しなければならない。

 

ここで重要なのが、この「議論を尽くす」、全てはこれに尽きると言っても過言ではない。



理事会がやるべきこと

理事会で決めるにしても、総会で決めるにしても、理事会での十分な議論は必要になる。これによって、物事の取り決めというのは大きく変わってくる。

 

理事会での話し合いが不十分だとすれば、相応の結果しか生まれないだろう。先日記事に書いた「因果の道理」、まさしくこの言葉通りの結果となる。

 

この理事会で議論を尽くすというのは、物事を決める過程で大切なことだと思う。

 

だが実際には、ある事案について管理会社が素案を作成し、理事会がそれに従って決めるケースや、その事案について十分な議論がなされないまま物事が決まってしまう、そのような理事会になっている感は否めない。

 

これが総会に上程する理事会の素案だとしたら、総会の出席者から色んな意見が出て、結局はそこでは決まらない、そんなケースが多いのではないだろうか。

 

なかなか物事が決まらない、そしてその間に色んな問題が次々と出てくる、こうなると悪循環に陥ってしまう。

 

本来理事会というのは、年間を通じて1回、2回の開催で終わるものではないと思う。ひとつの事案について、もし真剣に取り組むとしたら1回では終わらない。

 

初回の理事会でその事案を認識し、そして話し合いが持たれるわけだが、資料や見積もりが不十分だとか、出席者が少ないだとか、納得がいかないだとか、もっと他に良い方法があるのではとか、色んな課題がそこで生まれ、そして次の理事会で再び話し合いを行う。この繰り返しで素案というものは煮詰っていく。

 

理事会で十分な議論がなされると総会での意見というのは少なくなる。議論を尽くす、これを事前に理事会がやっているわけだから、そうなるのが当たり前のように思える。

 

この逆を考えれば、前述の「意見が多く出て物事が決まらない」になる。

 

なぜそこまでして議論を尽くさなければならないのか、それは所有者を代表する立場だからである。

 

これには異論があるかも知れない。「総会で議論を尽くす」ではないのか、そうなると状況によっては総会を何度も開催しなければならないし、理事会が何のために存在するのか、きっとそこに行き着くだろう。

 

管理会社との線引き

共有の財産管理は、前述でも語ったが管理組合が行うことになる。その管理の全てを自分たちで行うことは難しい。だから自分たちではできない部分を管理会社に委託している。この考え方が重要になると思う。

 

物事の取り決めは自分たちの意思で行う。そして全ての原点はマンションを所有する自分たちにあって、そこから色んなことを考える。これも重要な考え方だと思う。

 

身近にいる管理会社は、マンション管理の全てを行ってくれるわけではない。当然に出来ること出来ないことがそこには存在する。

 

マンションによっては、管理組合が行う業務と管理会社が行う業務、そして専門業者が行う業務、これらを明確に区分している管理組合が存在する。これが管理組合の本来の姿だと思う。

 

私の住んでいるマンションはまだまだ十分とは言えないが、それぞれの業務の線引きは行っている。

 

なので、輪番制で理事会は変われども、理事会活動に大差が生じることはない。理事会として「最低やるべきこと」、これを明確にしている。

 

業務の線引きがなければ、何をどこまですればいいのか分からない。結局は管理会社に依存してしまう。そこで理事会毎に格差というものが生まれてしまう。それに不満を抱かれる方も中にはいらっしゃるだろう。

 

なので、理事会としてやるべきこと、これは話し合いの中で決めるべき課題になると思う。

 

マンション管理組合|理事会がやるべきこと!続編

 

 


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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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