マンション管理組合の総会で特別決議を要する議題に際して、可決要件となる賛成票の計算方法について、今回記事にしたいと思います。
まず最初に、管理規約において特別決議がどのような取り扱い(条文)になっているのか、この確認が必要になります。
一般的に「組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。」、このような記述になっていると思いますが、組合員総数、議決権総数の意味について説明します。
組合員総数とは、文字通り「組合員の総数」です。例えば総戸数50戸のマンションで2戸所有している方が5名、他の皆さんは1戸所有の場合だと、組合員総数は45名となります。
1戸所有の組合員=50-(2✕5)=40名
2戸所有の組合員は5名いるので足して45名となります。
一方の議決権総数というのは、まず議決権総数の前に議決権の定義について確認する必要があります。この議決権の定義は管理規約で定められており、一般的に1住戸1議決権となっているケースが多いです。マンションによっては、専有部分の床面積の割合を用いるケースもありますが、今回の計算方法においては、1住戸1議決権の方を用います。
1住戸に対して1つの議決権となるため、単純に総戸数=議決権総数という計算が成り立ちます。前述の総戸数50戸の場合だと、議決権総数は50票となります。
組合員総数と議決権総数が分かれば、あとは計算するだけです。
管理規約において、前述の「組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。」の条文となっている場合は、以下の計算式で可決要件を導き出せます。計算にあたっては前述の例を用います。
組合員総数の4分の3以上
組合員総数 ✕ 0.75(4分の3)
45名 ✕ 0.75=33.75
よって34名以上となります。(小数点は切り上げ)
議決権総数の4分の3以上
議決権総数 ✕ 0.75(4分の3)
50名 ✕ 0.75=35.7
よって36票以上となります。(小数点は切り上げ)
組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上を要するため、可決要件として、それぞれの条件をクリアする必要があります。
ご参考になれば幸甚です。