総会・理事会

マンションの総会で物事が決まらない理由!

2019年11月16日

管理組合の総会では色んな話し合いが持たれます。また最終的に物事を決める場でもあります。管理組合によっては、物事が決まらず「次回へ持ち越し」なんてこともあるでしょう。

物事が決まらない、これを突き詰めると色んな理由がそこにあったりもします。私の経験則になりますが、以下の理由が挙げられます。

理事会で十分議論がなされていない

色んな意見が出て収拾がつかない

▶ 出席者が少ないという理由で先送り

反対者の意見に押されて採決できない

これ以外にも「物事が決まらない理由」というのは存在するでしょう。

 

理事会で十分議論がなされていない

物事の取り決めにあたっては理事会で議論を尽くす、これはとても重要なことだと思います。理事会で決めるにしても総会で決めるにしても、理事会での話し合いというのは欠かせませんし、物事の取り決めに至るまでの過程というのは、質問や意見が出た際に必要になります。

ここでいう「議論を尽くす」とは、物事に対して自分たちの意思で真剣に考えて素案を作り上げることを意味します。しかしながら、現状に照らし合わせると管理会社にお膳立てされた素案をそのまま受け入れ、理事会の意思が反映されずに総会に上程されているように思えます。

管理会社の素案は「どのマンションでも同じ金太郎飴方式の素案」であったり、管理会社の利益が優先されてたりもします。

 

 

管理会社側の素案を鵜呑みにすると総会時に出席者から疑念の声が上がったり、質問が出た際に理事会が回答できないという困惑に包まれた総会になります。

なので、管理会社が提示する素案はひとつの案として捉え、自分たちの意見をそこに盛り込んだり、また違った視点で検討し見直すことが必要です。そうすることで自分たちの素案を作り上げることができます。(詳しくはこちら👇)

マンション管理組合|理事会がやるべきこと!

 

色んな意見が出て収拾がつかない

理事会で議論を尽くすと総会での質問は確実に減ります。これは私の経験則によるものです。裏を返せば、理事会で十分な話し合いがなされないと質問が増え、物事が決まらず無駄な時間を費やすだけです。

色んな意見が出ると収拾がつかなくなり、次回へ持ち越し(継続審議)になるか消滅のいずれかです。総会を数多く経験すると素案を見ただけで結果が見えてきます。そして質問も想定できます。

理事会で管理会社に求めるものはそこだと思います。色んな質問や意見を知っている、色んな総会を経験している、落しどころも知っている。だけど大事なことは教えない。不思議ですよね(笑)。



総会の出席者が少ない

管理組合毎に総会に出席される割合というのは異なります。全員参加のところもあれば、2割に満たないところもあります。年々出席者は減少していきますが、ある年を境に一定する傾向にあります。

私の住んでいるマンションでは、築22年になりますが年々出席者が減り続け、今では10人程度で同じ顔ぶれだから皆さん全員の名前とか性格を知っています。出席者が少ないからアットホームな総会になっていますね(笑)。

近年、議決権行使書を用いるマンションが増えていますが、そこに賛否が記されていれば、これによって物事の大半は決まります。

議決権行使書を用いないマンションであれば、出席者と委任状で物事を決めることになりますが、総会の出席者が少ないとそこで物事が決まらないことも出てきます。「この少ない出席者で決めて良いのだろうか?」、そんな意見が上り、採決をとらずに次回へ持ち越しになったりもします。この話ってよく耳にします。

 

反対者の意見に押される

反対者の意見に押されて物事が決まらないケースって意外と多いのではないでしょうか。これは管理会社主導で進められる総会に多く見られます。

理事会で十分議論を尽くすと総会で仮に反対意見などが上がっても、自分たちの作った素案について、それに至った経緯とか要点、必要性などを上手に伝えることができます。自分たちの意思がそこにあるから説得力が増しますよね。

これが管理会社主導になると、管理会社によってお膳立てさせた素案と化し、反対意見が出やすくなります。見積もり一社では反対意見はでますよね。管理会社の息のかかった相見積もりでは話になりません。

管理会社による素案は、管理会社の目線でしかありません。なので、管理組合の目線での素案が大切なんですよね。

最近では総会の場でスマホを使って調べることができます。そこで金額の妥当性とか、方法論について質問が出たりもします。管理会社にとってスマホは難敵ですね(笑)。

管理会社が作った素案に対して異論が出た場合、理事会は管理会社にアイコンタクトで回答を委ねます(笑)。そこで管理会社が回答するから揉めるんです。

 

管理会社が勝手に決めるな!

 

総会の各議題に関して「理事会は無関心」では困ります。総会の場で1年間の活動報告を行ったり、理事会が協議・検討してきた議題を上程するわけですから、知らないでは本当に情けない話です。

逆に熱心に活動してきた理事会に対して、労いの言葉が出席者から上がったりもします。

 

単純な言葉かも知れませんが、「おつかれさま」は価値のある素敵な言葉だと思います。私の理事長時代にもこの労いの言葉を掛けてもらいましたが、本当に苦労したけど救われた言葉ですね。

理事会での話し合いの仕方によって、物事が良い方向へ、悪い方向へと進みます。そこにもし自分たちの意思があるとすれば、物事は良い方向に進むと思います。

本来ならば、話し合いに自分たちの意思があって当然なのですが、管理会社がいると何も考えなくても物事は進みます。そこに問題があるから記事にしてみました。

 


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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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