マンション管理組合の会合には、大きく総会と理事会の二つがある。「会合は時間が掛かるもの」、そのようなイメージを持たれている方が多いと思う。
確かに話し合いには相応の時間は掛かる。だが、普段生活する中での会合であることを理解しておく必要があろう。
仕事から帰宅後ずぐに理事会に出席されるケースもあるだろうし、小さなお子さんを持つ夫婦であれば、時間というものに制約がある。
私の管理会社時代に住人から本音の意見を聞かされた。いちばん多かったのが「無駄が多く会議が長い」という意見だ。当然異論もあると思う。だが、効率よくそして時間はできるだけ短く、この考え方には異論は出まい。
企業の会議にも同じことが言えるが、会議というのは、効率よく短時間で行うことが望まれる。「時は金なり」という言葉のとおり、時間というのはとても大切である。
効率よく会議を進めるために必要なこと、今回これについて語りたい。
事前準備が大切
「用意周到」という言葉があるが、会議を効率よく行うためには事前準備というものが必要不可欠となる。それと、議題内容に見合った会議時間を明確に決めることだ。
企業の会議がなぜ長くなるのか、それは会議時間を設けていないからだ。特に中小企業の場合、社長のワンマントークライブが永遠と続く(笑)。
メリハリのない会議は、内容が伴わないということだ。これは個人的な意見である。
管理組合の会合では、手持ち資料がない中で話し合いを行うと内容の薄い、長々とした会議になってしまう。
会議を円滑に行うために議題説明書(議案書)、参考資料、会議の議事録などが作成されているのだが、これらの資料にも良し悪しというものがある。
管理会社にマンション管理を委託している管理組合では、その関係資料は管理会社側で作成されている。
皆さんのマンションでは理事会資料は事前に配付されているだろうか。当日に配付されているマンションも多いと聞く。
せめて1週間前に配付しないと事前に内容を確認したり、意見をまとめたりできない。これは自主管理の場合も同じである。
もし当日に配付しているのであれば、時間の掛かる会議になるだろうし、時間設定があるのなら、内容の薄い会議になるだろう。
前述の「無駄が多く会議が長い」、私はこれを反面教師と捉え、どうすればそれを解決できるのか、自分なりに考え、総会・理事会開催前に理事長、理事と連絡を取り合いながら検討しやすい資料作りに勤しんだ。だから事前準備の方が正直時間が掛かる。
議事録も経緯を細かく記載しているから他のフロント担当よりも分厚い。資料というのは分厚ければ良いというものではないが、検討するための比較資料や各社見積書、経緯説明などを入れると普通はそうなると思う。
薄っぺらい資料をよく見かけるのだが、逆によくこれで会議ができるなと個人的にそう感じてしまう。
事前準備というのは大切だと思う。管理会社が作成するのであれば、心遣いが隅々まで行き届いた資料を作成すべきだと思う。それが管理組合からお金をもらって仕事をする姿勢である。
よくあるのが見積書が管理会社の1社だけしかない。それでは比較検討はできまい。それに管理会社が数社見積書を用意するケースがよく見受けられるが、そこは注視すべきである。事前に見積書の談合が行われているケースが多い。
見積り案件の議題であれば、事前に理事会に伝えておくべきである。管理組合が用意した見積りでないと談合の温床と化す。
理事会との会議の事前打ち合わせが十分なされない管理会社が多い。主導権を履き違えているから理事会でよく揉めるのだ。結果として話が纏まらず、次回へ持ち越し、そこで費やした時間は中身が伴わなければ無意味なものとなる。
揉める総会、理事会には誰しも出席したくはないだろう。そして無意味な会合が度重なれば参加者は自ずと減っていく。
総会、理事会の主役を履き違えるとこのようになる。