マンションなどの集合住宅では、同じ屋根の下に多くの方が共に暮らしている。個々の生活習慣などの違いにより様々なトラブルが生じ、時として不平不満に感じることもあるだろう。
特にマンション内で生じる苦情は、マンション管理会社に連絡して、その解決を求める声が多いのが実情であろう。
住人同士で揉めたくはない…
そこで管理会社に連絡することは理解できるのだが、その対応まで求めるのは筋違いだと思う。これは管理会社の立場、所有者の立場の双方を経験している私の正直な気持ちである。
これには異論を持たれる方もいらっしゃるだろうが、マンション内で起きた問題は、住人同士が互いに分かり合えないときっと解決するのは難しいと思う。
それって管理会社がやるべきこと?
管理会社に物事を決める権限はない。故に義務を持たない管理会社に文句を言ったところで解決することなど期待できないだろう。そこが重要である。
例えば、管理組合の話し合いの中でペット飼育を認めたマンションがあるとして、ペットに纏わるクレームが生じた場合、管理会社ではなく管理組合(理事会)にその改善を求めるのが筋道だと思うが、現実として管理会社に対してその改善を求める、そして管理組合は蚊帳の外、もしそうだとすれば本末転倒である。
ペット飼育の組織委員会があるのなら、そこに改善を求めるべきだと思うが、その組織自体が形骸化しているマンションが多い。そんな状況下で改善など期待できまい。
都合の悪いことは管理会社に押し付ける、無理難題を押し付ける、管理会社はクレームを解決する当事者ではない。意外とそこを勘違いされている。
要望とか意見などは直接管理組合に伝えるべきだと思う。管理会社に伝達すると、Aという話がBにすりかわることだってある。第三者を介すと真意が伝わらないこともある。
だから、管理組合という組織が存在し、そこには理事長がいて理事会という組織がある。その組織の形骸化、よく言われていることだが、その組織の形骸化を作っているのは自分たちかも知れない。そこに気付くべきだと思う。
住人同士の騒音でフロントマンが親身になって対応してくれない、そこで「上司を出せ!」って言われる方も中にはいらっしゃるが、それで何が得られるのだろう。
このケースのように実務として多いのが管理会社に解決を委ねるケースである。そこで管理会社は理事長とか理事会に相談する。それって本末転倒だと思う。
マンション内で起きたトラブルは自分たちで解決する、そこで解決できない問題なら、管理会社や第三者に協力してもらう。その考え方ってとても大切だと思う。
管理会社に解決を委ねるからトラブルになってしまう事の方が多いと思う…
それって管理会社がやるべきことなのか、何を期待するのか、伝達する前にまずそこを考える必要があるように思える。
私の住んでいるマンションの話になるが、個人的に言いたいことは山ほどある。管理会社に言ったところで解決しないと分かっているから、受忍すべきことが多い。
どうしても伝えるべきことは、総会の場で意見を口にしたりもする。あまり意見を口にすると世間体を気にする家内から叱責されるから多くは語らない(笑)。というか語れない(笑)。
住人の皆さんに直接声掛けした方が真剣に考えてもらえたりもする。
共同生活は受忍、そして物事に対する筋道が必要だと個人的にそう思う。