マンション管理

マンション管理適正化診断サービスとは?

2020年4月26日

近年、マンション管理適正化診断サービスという言葉をよく耳にするようになりました。この診断サービスは、一般社団法人マンション管理士会連合会が管理組合向けに行っている無料診断サービスです。

2015年11月にスタートしましたが、中には知らない方もいらっしゃると思います。そこで今回、このマンション管理適正化診断サービスについて、個人的な意見を交えながら読者の皆さんにお伝えしたいと思います。



マンション管理適正化診断サービスとは

このサービスの特徴は、プロの診断士(診断マンション管理士)が依頼先のマンションに出向き、マンションの管理状況をS・A・Bの3段階で評価します。

診断マンション管理士とは、当協会が主催する診断業務研修プログラムを修了したマンション管理士を指します。

なので、自分のマンションの管理状況が客観的な視点から知り得るので、現状の把握、改善点などが見い出せます。

この診断サービスを利用した管理組合は、2019年11月に1万棟に達したと聞きますが、無料で利用できる点診断結果やアドバイスが記載された診断レポートをもらえる点が管理組合側にとってメリットと言えます。

この診断サービスの評価結果次第で、日新火災海上保険株式会社のマンションドクター火災保険の保険料が割引されるといったメリットがあるため、近年保険料の値上げが進む中で利用価値は高まっています。

 

マンション管理は評価される時代へ

当協会と不動産・住宅情報サイトを運営する「LIFULL HOME’S」との提携が決まり、S評価、A評価を受けたマンションは、管理組合が希望すれば物件情報に評価結果を掲載できるようになります。

マンションの購入者からしてみれば、この評価はとても分かりやすい指標となり、そこで高い評価が得られたマンションでは、外部へアピールするための有益な材料になり得ます。

管理組合もまたこの評価を知ることで、マンション管理に対する意識の向上に繋がるといったメリットもあるでしょう。

ちなみにこれまで行った1万棟の診断結果を調べてみると、S評価を受けたマンションは全体の約30%。A評価が約45%、B評価は約25%の割合になっています。

 

診断サービスに必要な書類

マンション管理適正化診断サービスを受ける際に必要な書類は以下のとおりです。

・管理規約、使用細則等の細則集  
・長期修繕計画 ※資金計画表含む
・総会資料一式 ※過去1年分
・総会議事録 ※過去3年分
・理事会議事録 ※過去1年分
・管理委託契約書  
・管理費・修繕積立金等の未収金一覧表  
・工事報告書 ※大規模修繕工事報告書(大規模修繕工事報告書、給排水管工事報告書、保証書
・法定点検の報告書 ※特定建築物等定期調査報告書、建築設備定期検査報告書、防火設備定期検査報告書
・竣工図書一式 ※設計図書一式
・消防用設備等点検結果報告書、結果統括表  
・現在の共用部分保険内容が確認できる資料 ※保険証券等の写しでも可
・保険金請求書類一式 ※保険金請求書控、保険金支払通知書等
・診断内容確認書

※診断マンション管理士より渡されます
※管理組合の署名押印が必要

診断を実施した診断マンション管理士から「診断レポート」が提出されます。この診断レポートの結果次第で、前述の日新火災海上保険「マンションドクター火災保険」の割引サービスが適用されます。

それと、診断の際には理事長の立ち会いが必要になります。理事長が立ち会えない場合は、他の理事の方、もしくは監事の方でも良いそうです。診断マンション管理士から書類を見ながらヒアリングが行われます。

 

管理会社がこの診断サービスを勧めない2つの理由

 

 

勧めない理由その1/指摘材料になり得る

これまで管理組合をサポートしてきたマンション管理会社にとっては、この診断サービスの結果というのは気になると思います。見方を変えれば、管理会社の良し悪しの判断材料にもなり得ますからね。

そこで管理会社の提案力とか助言の在り方、先見性、計画性、危機管理の在り方など色んなことが見えたりもします。

当たり前に勉強すればテストの点数は高く取れるように、適正な管理のサポートを行っていれば色んな意味で高い評価が得られます。逆に怠けていれば相応の評価しか得られません。

管理会社が積極的にこの診断サービスを勧めないのは、そういった都合の悪いところを指摘されるのが嫌だから、それも一理あると思います。

それともう一つは、前述の提出書類の準備の手間を嫌います。手間だけ掛かって対価が得られない仕事というのは消極的、それが管理会社の本音だと思います。

勧めない理由その2/保険契約上の都合

管理会社の多くは保険代理店を兼ねているので、管理組合に勧めたいのは代理店で取り扱っている保険商品です。手数料が入りますからね。

そこで日新火災海上保険の代理店でない管理会社は、積極的にマンションドクター保険を勧めたりはしません。

なので、管理組合が日新火災海上保険のマンションドクター火災保険の見積もり依頼をしない限り勧めることはしないと思われます。

 

個人的な意見

マンション管理適正化診断サービスは、マンション管理の現状を知る上で利用価値は高いと感じますし、無料だから管理組合側にとっては損はしないと思います。

また、診断レポートによりマンション管理の課題や問題点を知り得ます。評価が高ければ保険料の割引が適用されるので書類の準備は面倒ですが、相応にメリットはあると思います。

ただし、注意しなければならないのは、あくまで書類上の評価しか行わないため、建物の状況把握とは異なります。そこに注意を払う必要があります。

建物の診断を併ねるのであれば、より精度の高いものになり得ますが、無料で行える限界というのがそこにあります。

マンション管理適正化診断サービス=マンションドクター火災保険という印象が強いので、一見すると保険勧誘のためのサービスに思えますが、保険に加入する必要はないので、個人的にはそこはあまり深く考えずにいます(笑)。

それよりも、診断マンション管理士の診断結果に基づくアドバイス(所見)の方が気になりますね。

 








-マンション管理

執筆者:

関連記事

マンション管理会社への期待|その裏側では…

  マンション管理というのは、かなり広範囲に及ぶ。近年ではLED照明、電力の自由化に伴う節電提案、新4K・8K衛星放送、インスペクションなど、時代の変化による様々なものがマンション管理に加わ …

マンション管理|電磁的方法が普及しない理由

  現代社会において、電子メール、インターネットというのは無くてはならない存在である。もし仮に、今それがなくなるとしたら、きっと多くの方が困るだろう。 それだけ人々に普及しているということだ …

マンションの機械警備の仕様にも種類がある!

マンションには、火災などの非常時の警報を受信するための住棟受信機という防災設備がある。その受信機は一般的に管理員室内に設置されている。   各住戸に設置されている火災警報器が反応したり、イン …

マンション管理の予防保全と事後保全について

  マンション管理に「維持保全」という言葉がありますが、マンションの安全性を維持する、そんな意味で用いられています。更に維持保全には「予防保全」「事後保全」の2つの考え方が存在します。 予防 …

マンション管理は管理組合自らが行うべき|他人依存は危険!

マンション管理の主体はあくまで管理組合です。管理会社に委託するにしても、そこに自分たちの意思がなければなりません。任せっぱなしにするのはとても危険です。 しかしながら、マンション管理のやり方が分からな …




 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

元業界人がマンション管理について本音で語るブログです。
登場人物 ☞ 鬼嫁がたまに出てきます(笑)

 ブログ内検索
 カテゴリー
 その他の記事