マンション生活 騒音問題

マンションの生活音に対する配慮は欠かせない!

2020年8月2日

 

マンションで頻繁に発生するのが生活音に纏わるトラブルです。私の管理会社時代に住人さんから多くの相談を受けました。

普段生活する中で生じる音が他人にとって「迷惑な音」に聞こえたりもします。「生活音」を「迷惑な音」と感じれば、当人にとって「騒音」と化します。受忍できなければトラブルに発展したりもします。

マンションのような集合住宅は、住戸が縦横に連なり、コンクリートの壁や床で区切られた構造になっているから、生活する上で多少なりとも音は生じます。

実は、木造アパートよりもマンションの方が騒音問題が多く、マンションにおいては、コンクリートの壁や床の幅が厚い方が騒音問題が生じやすいという矛盾した実情がそこにあったりもします。

普通に考えれば逆に思えるかも知れませんが、この矛盾こそが騒音問題の発生に深く関わっています。今回、それについて語らせていただきます。

 

マンションの販売時に問題がある

マンションは強固な建物だから音が伝わりにくい、そのように錯誤してマンションを購入される方が意外と多くいらっしゃいます。

販売用のパンフレットに遮音性能の高さをアピールするような記述がなされたり、販売時に営業マンが「音はしませんよ」、そんな説明をするから音に対する配慮が欠けてしまうんですよね。

私がこれまでに受けた騒音に纏わる相談の多くは、販売時に過剰とも思える営業トークによるものです。

 

特に小さなお子さんをお持ちの家庭では、購入時において多くの方が生活音を気にされます。そこで営業マンに尋ねるとこのような説明をされています。

音はほとんど聞こえませんよ

音は伝わりにくいですから

最近のマンションは遮音性に優れています。パンフレットにもそれをアピールする記述があって、「音が気にならないから安心」「音が伝わりにくいから安心」、そのように理解して皆さんマンションを購入されます。そこに落とし穴が待ち受けています。



錯誤が騒音を生む

木造アパートや昔のマンションは、音が隣家に響くという意識が高いから、そこで暮らす住人さんたちは生活音への関心が高く、不要な音は出さないという意識を持ち合わせています。

逆に遮音性の高いマンションでは、音が伝わりにくい、そこを過信すると音に対する意識は薄れます。遮音性が高いから多少の生活音は大丈夫、そんな意識が芽生え、結果として生活音に纏わるトラブルを助長させています。

どんなに強固なマンションでも音は伝わります。なので生活音に対する配慮は欠かせません。皆さんがこのように考えて生活されるのであれば、騒音問題というのは少なくなると思います。

 

子供の生活音に関するトラブル

子供というのは元気がいいし、親の言うことをなかなか聞いてくれないものです。目を離した隙に住戸内を駆け回ったり、父親が仕事から帰宅したときに玄関先に走って出迎えることもあるでしょう。

 

これはごく普通の光景に思えますが、マンション住まいになるとそうはいきません。下階の住人さんにとってみれば、うるさい音に聞こえたりもします。

お子さんと同居するマンション住まいは、親御さんのしつけがとても大切です。このように書くと堅苦しく思えますが、他人と共に暮らす以上、配慮というのは欠かせません。

子供の足音をめぐるトラブルは多く、裁判にまで発展するケースがあります。東京地裁の判例があるので下にリンクを貼っておきます。

▶ 過去の判例

 


 

-マンション生活, 騒音問題

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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