マンション生活

マンションの国際化|外国人居住者とどう向き合う!

2018年4月15日

 

近年、マンションに住む外国人住民が増えている。地域によって異なるだろうが、私の住む街では、10年前に比べるとかなり状況が変わっていることに気付く。

2017年1月1日時点における国内の人口推移は以下のとおりである。

出身国/地域 2017年 2016年からの変化
日本人 125,583,658 -308,084 ▼
外国人全体 2,382,822 150,633 ▲
中国 695,522 29,675 ▲
韓国 453,096 -4,676 ▼
フィリピン 243,662 14,067 ▲
ベトナム 199,990 53,034 ▲
ブラジル 180,923 7,486 ▲
アメリカ合衆国 53,705 1,434 ▲
台湾 52,768 4,045 ▲
インドネシア 42,850 6,940 ▲
北朝鮮 32,461 -1,478 ▼
インド 28,667 2,423 ▲
その他の外国 399,178 37,683 ▲

出典:Bloomberg

 

外国人住民の割合の大きい都道府県

順位 都道府県名 割合(%)
1 東京都 3.59%
2 愛知県 2.88%
3 群馬県 2.428%
4 大阪府 2.427%
5 三重県 2.36%
6 岐阜県 2.26%
7 京都府 2.12%
8 千葉県 2.08%
9 静岡県 2.04%
10 埼玉県 2.032%

出典:総務省

 

特に不動産会社に携わっている方は、不動産市場の国際化という状況の変化に気付かれている方が多くいらっしゃると思う。

私の知人が経営する不動産会社(東京都内)では、英語、中国語などの外国語を話せるスタッフが社員30名に対して5名ほどいるそうだが、ここ数年、中国、東南アジアの方から「マンションを借りたい」「マンションを買いたい」、この問い合わせが多いと聞く。

居住目的も、永住、週末だけの利用、日本にビジネスなどで来訪したときに利用するなど、その目的も様々である。

マンションの国際化…

実感がわかないマンションが多いと思うが、地域によってはそれが既に始まっている。



言葉の壁、文化の違い

国内にある道路標識や公共交通機関、ホテル、商業施設、観光地などでは、日本語の下に外国語が書かれた看板を目にすることが多い。

 

 

全ての外国人が日本語を理解し、そして話せるわけではないし、分譲マンションの住まい方をどこまで理解できるのかは未知数である。そこで問題になるのが

言葉や文化の違い…

「郷に入っては郷に従え」という日本人の慣習的な考え方があるのだが、もし私たちが外国に住むとしたら、きっとそれぞれの国の異文化の違いに躊躇するだろう。それと同じで外国人居住者もまた、日本の文化を異文化だと感じるだろうし、最初は理解できないことが多々あると思う。

ゴミの出し方、生活騒音、友人との同居や転貸などをめぐるトラブルが多いと聞くが、外国人にとって普通の生活が、日本においてはルール違反になったりもする。

ゴミの出し方を例に挙げれば、可燃物、不燃物、新聞紙、ダンボール、プラスチック類、空きビン・空きカン、粗大ゴミなど日本のゴミ出しの分別方法はとても細かし、ゴミ出しの曜日や時間もそれぞれ異なるからそこでトラブルが起きやすい。

これらは外国人居住者だけの話ではないと思うのだが…

 

翻訳は必須?

先ほどのゴミ出し方法については、各自治体でイラスト入りの外国語で作成したパンフレットが用意されていることが多い。

出典:松山市ホームページ

ゴミ分別ガイド(愛媛県松山市)

マンション標準管理規約もまた、公益社団法人マンション管理センターで英訳されたものがネット上に公開されている。

マンション標準管理規約(英訳版)

10年後、マンションの至るところで翻訳された言葉が掲示板に貼られていたり、翻訳された管理規約が用いられることも考えられるが、マンションの国際化は、管理組合、管理会社、マンション管理士にとって決して他人事ではないように思える。

このテーマについて考えるきっかけになれば幸いである。

 


 

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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