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マンション生活

分譲マンション|バルコニー・共用廊下に物は置けない!

2017年5月4日

 

マンションの共用部分に私物を置かれている方が多い。特にバルコニー、共用廊下に私物を置かれるケースが目に付く。

普段生活している中で、管理会社や他の住人から注意されることは少ない。住人ならともかく、管理会社がそれを知っていて黙って見過ごしている、ここが一番の問題だと思う。

共用部分に私物を置く行為について、今回、このテーマについて語る。

 

根拠となる規定

区分所有法では、第13条に「各共有者は、共用部分をその用法に従つて使用することができる」、こう記されているだけだ。この用法の定義がないから解釈に苦しむ。

そして区分所有法の第30条に「 建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる」、こう記されている。

共用部分の具体的な使用方法は管理規約によって定められているということだ。

それでは管理規約にはどのように記載されているのか。

基本となるのが、国土交通省がモデルとして作成した「マンション標準管理規約」だ。同時に作成された「マンション標準管理規約のコメント」も指標となる。

マンション標準管理規約の第13条に「区分所有者は、敷地及び共用部分等をそれぞれの通常の用法に従って使用しなければならない」、こう記されている。ここでようやく通常という言葉が用いられているが、この通常も解釈に苦しむ。

そこでマンション標準管理規約のコメント(第13条関係)に「通常の用法の具体的内容は、使用細則で定めることとする」、こう記されている。ここでようやく通常の用法の定義にたどり着くのだが、この使用細則は、個々のマンションによって用法の定義が異なる。

参考になるとしたら、国土交通省の指定機関(公益財団法人マンション管理センター)が作成した「中高層住宅使用細則モデル」だ。

第9条そして第11条に共用部分の用法が記されている。

第9条(敷地及び共用部分等でのその他の禁止行為)
第三号に「専用使用権のない庭、廊下、階段、その他の敷地及び共用部分等への物品の設置若しくは放置又はその占拠その他の排他的な使用」、こう記されている。
第11条(バルコニー及び屋上テラスでの禁止行為)
第四号に「緊急避難の妨げとなる物品の設置又は放置」、こう記されている

マンションによって、この記述が異なるだろうが、記載されている内容はそのマンションの使用ルールだから遵守しなければならない。



使用細則に規定が無くても他の法令で規制される

マンションでは、火災などの災害時に備え、二方向への避難経路が確保されている。バルコニー、共用廊下、階段がこの避難経路に該当する。この避難経路に妨げとなる自転車などの私物を置く行為は禁止されている。

根拠となる法令は「消防庁告示第三号」だ。これは平成17年3月25日に総務省消防庁から告示され、平成19年4月1日に施行されている。

詳細は総務省消防庁のホームページで確認することができる。リンクを貼っておく。

総務省消防庁HP

この告示の内容は以下のとおりだ。

特定共同受託等の構造類型を定める件(第三のみ抜粋)

第三 二方向避難型特定共同住宅等

 省令第二条第八号に規定する二方向避難型特定共同住宅等は、特定共同住宅等の住戸等(住戸、共用室及び管理人室に限る。以下第三及び第四において同じ。)において火災が発生した場合に、当該住戸等が存する階の住戸等に存する者が、当該階の住戸等から、少なくとも一以上の避難経路を利用して階段室等(当該住戸等が避難階に存する場合にあっては地上。以下第三において同じ。)まで安全に避難できるようにするため、次号に定めるところにより、二以上の異なった避難経路(避難上有効なバルコニーを含む。以下同じ。)を確保していると認められるものとする。

 二方向避難型特定共同住宅等は、次に定めるところによるものであること。

(一)廊下型特定共同住宅等の階段室等は、廊下の端部又は廊下の端部に接する住戸等の主たる出入口に面していること。

(二)住戸等の外気に面する部分に、バルコニーその他これに類するもの(以下「バルコニー等」という。)が、避難上有効に設けられていること。

(三)バルコニー等に面する住戸等の外壁に、消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第四条の二の二に規定する避難上有効な開口部が設けられていること。

(四)隣接するバルコニー等が隔板等によって隔てられている場合にあっては、当該隔板等が容易に開放し、除去し、又は破壊することができ、かつ、当該隔板等に次に掲げる事項が表示されていること。

 当該バルコニー等が避難経路として使用される旨
 当該隔板等を開放し、除去し、又は破壊する方法
 当該隔板等の近傍に避難上支障となる物品を置くことを禁ずる旨

(五)住戸等において火災が発生した場合に、当該住戸等が存する階の住戸等に存する者が、当該階の住戸等から、少なくとも一以上の避難経路を利用して階段室等まで安全に避難することができること。ただし、バルコニー等に設けられた避難器具(避難器具用ハッチに格納された金属製避難はしご、救助袋等の避難器具に限る。)により当該階の住戸等から避難階まで避難することができる場合は、この限りでない。

火災などの災害時の安全確保のためにこのような規定が設けられている。

これが一般的によく言われる消防の観点からの規制であり、使用制約の根拠になるものだ。

他にも物を置けない理由が存在する。これから説明する規定は、多くの方が知らないことだろう。

共用部分などに私物を置く、これを前提とするなら、これは共用部分とは言えない。専有部分に含まれるスペースになる。

そもそもマンションなどの建物は容積率というのが決まっている。立地場所、敷地の広さによって決まるのだが、これにより建物の延床面積が決められる。

バルコニー、共用廊下などの共用部分はこの延床面積に含まれない。これを不算入というが、法により除外できる部分だ。これにより専有部分の面積を広くできるメリットがある。

この共用部分に物を置く行為は、専有部分とみなされ、結果として面積相違の違法建築物になるのだ。役所の立ち入り調査でこれが発覚するとマンション全体の建物使用禁止命令が下される。

実際には役所がマンションに立入調査することは皆無だろう。だが法律を紐解けばこのような現実もあるということは知っておくべきだ。

詳しく調べたいのであれば、役所や県の建築関係の窓口で教えてもらえると思う。根拠資料も見せてもらえるはずだ。

 

 

 


 



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