マンションには独自の生活音というのがある。そこに住む人の声であったり足音である。
普段生じる生活音でも人によっては「うるさい音」に聞える。これが「生活騒音」である。
上階の住人の走り回る音、物を移動させた時の音、物を落とした時の音、楽器演奏の音、テレビやステレオの音、目覚まし時計の音、そして夫婦喧嘩や子供を叱る時の罵声。
音にも色んな種類がある。
ひとつの壁で仕切られた空間で生活しているから、生活音は必ず何らかの形で聞こえてくる。
他の住人への配慮が欠かせないのは言うまでもない。
ここまではごく普通の話なのだが、生活音にも意外な音がある。今からそれについて語りたい。
身近なものが騒音
私たちの身近にあるものといえば、スマートフォンなどの携帯電話である。人によってはバルコニーで電話をされる方もいる。その声も人によっては騒音になりうるのだが、伝えたいのはそこではない。
携帯電話にはバイブレーションという機能が付いている。音ではなく振動によって着信を伝える機能なのだが、この振動音が騒音になることがある。
えっ?て思われる方が多いと思う。
バイブレーションに設定して携帯電話をフローリングなどの固い床に置くとコンクリート壁を伝って音が隣家に響くことがある。マンションの構造にもよるが、私の管理会社時代にこれに纏わる騒音の事象を二つ経験している。
「早朝の決まった時間に振動音が響いて寝れない。」、住人からの相談を受け、早速調査するも原因が分からずじまい。
最初は給排水管からの振動かと思ったが、早朝の決まった時間に毎日というのが気になった。
そこで3日ほど住人に振動が聞こえる時間を記録してもらい、それを聞いて驚いた。時間は毎朝5時ちょうど、そこで気付いたのが目覚まし時計の音?
それは音であって振動ではない。おかしい?
もしかしたら携帯電話のバイブレーションの振動? まさか…
まるで子供の頃に味わった冒険心が再びそこで蘇る(笑)。
早速、その住戸の周辺の住人に聞いてみることにした。「朝の5時に起きる人」、これが手掛かりだ。すると上階の住人が該当した。携帯電話のアラームとバイブレーションを同時に鳴らし、目覚まし時計代わりに使用されていた。
携帯電話は壁際のフローリングの床にいつも置かれていた。そこで携帯電話のバイブレーション機能を消してもらい、数日間様子をみることにした。
それ以来、振動音は聞こえなくなった。
携帯電話のバイブレーション機能が原因であった。想像すらしていない意外な音であった。
数年後、別のマンションで同様の相談を受けたとき、その時の経験があったから、解決が早かった。二つあるということは、他のマンションでも起こり得るということだ。
車の防犯ブザーは本当にうるさい
今から語ることはあくまで個人的な意見なので、良し悪しは皆さんに委ねたい。
最近、防犯ブザーを設置している車が多い。至る所でこの防犯ブザーが鳴る。多くが誤報である。私の住むマンションでも隣りの月極駐車場に止めている車から防犯ブザーが月に何度か鳴り響く。本当にうるさくて困っている。しかも深夜にこのブザーが鳴るからその度に叩き起こされる。
鳴っては止まり、またしばらくするとまた鳴り出す。この繰り返しだ。これはその日に限ったことではない。忘れた頃にまた鳴り出す。近所迷惑にも程がある。
マンションの住人の方で直ぐに警察に電話される方がいてくれるから、正直助かっている。すぐに警察が来てくれるのだが、車の所有者は警察にしか分からない。深夜ともなれば、その車の所有者に連絡しても繋がらないこともある。
防犯ブザーを設置するのは自由であるが、誤報であればかなり近所迷惑になる。これは設置する上で理解しておくべきことだと思う。
私の愛車には防犯ブザーが標準装備されていたが、その件があったから敢えて鳴らないようにしている。意味のない防犯ブザーと化しているのだ(笑)。だから車内に貴重品は置かないようにしている。