マンション全体の電気容量というのは、マンション毎に決まっている。これはマンション全体の電気配線(幹線)の太さで決まってくる。
個別の電気容量は、現在40Aから60Aが主流だが、築30年を超えるマンションでは30Aが主流である。
最近の電化製品は省エネ化されているが、エアコンを全室に設置するケースやIHクッキングヒーターに変えるケースに容量不足が生じることがある。
その場合、個別の電気容量を増やすことになるのだが、冒頭のマンション全体の電気容量が関わってくるから、個人で勝手に行うことはできない。
なので、管理組合に事前に申請する必要がある。管理組合に確認したところ、マンション全体の電気容量が決まっているからという理由で許可されないケースが多いと思う。
これらの判断は、そのマンションを管理している管理会社の判断に委ねられる、これが実情ではないだろうか。
管理会社は電気容量について、図面やパンフレットに記載された電気容量で判断されることが多いのだが、パンフレットの表記の中にこのような記述がある。
契約容量:40A(60Aまで増量可)
これは何を意味するのだろう。それは、マンション全体の電気容量に余力があることを意味する。だが全ての住戸が60Aまで増量することはできない。この表記の解釈の間違いはそこにある。
全ての住戸がそれを行うと容量オーバーになってしまう。要するに早い者勝ちということだ。
それでは不公平になるから、そのような表記になっていても増量は認めない、これが管理組合として適切な回答になると思う。
これは私が管理会社時代にマンションに携わった設計事務所、建設会社、電気設備業者に確認して得られた情報であるが、もしかしたら、全戸60Aに増量できる電気配線の仕様になっていることも考えられる。パンフレットにこの表記がある場合は、そこを管理会社に確認する必要があろう。詳しく知っているのは、そのマンションを施工した電気設備業者だ。
IHクッキングヒーターに交換される場合は、電気容量は60Aでも足りないことが多い。それ以上の容量に増やすことも可能だが、個々がそれを勝手に行うと収拾がつかないし、トラブル要因になる。
なので、リフォームを行う際の申請書に注意書きを加え、「電気容量は〇Aまで」と明確に記した方がいい。
これは床のリフォームも同じである。「同等以上の遮音性能に限る」これも明記しておいた方がいい。
管理規約(使用細則)にリフォームする際の細かな規定があるとトラブルを未然に防げる。