リフォーム

マンションリノベーションにおける注意点!続編

2017年11月14日

 

ここ数年、マンションの住戸内におけるリノベーション(スケルトンリフォーム)が盛んに行われている。

時代に見合わなくなった室内を全て取っ払い刷新することについては、個人的に異論はないのだが、他の住人の方たちが生活している中で行う工事になるから、施主である区分所有者、工事を請け負う施工業者、承認の可否判断を行う管理組合は、そこを十分理解しておく必要があろう。

リノベーションの中には、不動産会社が物件を買い占め、リノベーションを行い再販するケースが多く見受けられる。

私の住んでいるマンションで行われたリノベーションもこのケースがほとんどである。

施主である不動産会社は「住む目的」ではなく、「いかに高く売るか」、ここに着目しているから、そこに住人との感覚のズレが浮き彫りとなる。

内装全てを取っ払い、大規模なリフォームを行うケースでは、工期が1ヶ月以上掛かる。途中、住人とのトラブルが起きれば、工事が中断することも考えられる。

工事が長引けば、互いにとって良いことなど一つもない。



事前の周知は欠かせない

近隣住人への挨拶、これは当然行うべきである。工事のスケジュール表を作成し、工事に伴い音が発生する日時を明確に近隣の住人に周知すべきである。

近隣の住人に対しては迷惑を掛けるわけだから、工事説明は挨拶を兼ねて行う必要があろう。

 

工事に伴う音も広範囲にわたるため、隣人のみならず、周知すべきことは掲示板を用いて行うべきである。

 

工事期間中の防犯対策

工事中のトラブルとして予知できるのは、工事関係者の出入りによる防犯上の問題がある。

頻繁に複数の作業員が出入りする、そんな事情もあって、共用勝手口の扉の下に物を挟んで、鍵を持たずに作業員が出入りできる状態を作ってしまう。これは工事の大小に関わらず、一般的な苦情として多い。

資材の搬入、廃材を搬出する際に不要な開放状態を作ることも同様である。

空き巣などの犯罪は、この無防備な状態を狙って起きたりもする。なので、不要な解放状態は作らないこと、そして工事関係者には識別できる腕章は付けさせるべきだ。これは不審者の侵入を防ぐ目的で行うものだが、一部の大手企業や官公庁でも立入許可証(ゲストカード)を立ち入る者に着用させている。

 

 

そこまでやるの?その気の緩みにつけこんで犯罪は起きる!

 

エレベーターの使用

工事に伴い、資材の搬入、廃材の搬出などでエレベーターを使用されるケースが多い。これは引越しのときも同じなのだが、普段生活されている中で工事が行われるから、住人を優先するという配慮は欠かせない。

管理組合の中には、工事関係者のエレベーター使用は一切禁止というところも稀に見受けられるが、階段の利用にも限界があるだろうから、そこは柔軟に対処すべきではないだろうか。

エレベーターを使用する際は、かご内の養生は欠かせない。これは引越しのときも同じである。エレベーター以外にも養生が必要な箇所がマンション毎に出てくる。

 

 

損傷は工事後のトラブルで多いから予防は必須!

 

施工業者任せは危険である。管理組合から細かな指示を与えないとトラブルは絶えない。

工事には事故はつきものだということを認識して、それを予防するための対策を住人の立場で考える。

工事を承認するということは、そこまで考えなくてはなるまい。

私の住むマンションでこの工事が行われた際に、「音がうるさい」「日曜日は作業しない約束なのに平然と作業している」「工事車両が邪魔で車が出せない」など色んなトラブルが起きたと聞く。

業者任せにしているとトラブルは絶えない。施工業者もまた職人任せにしている。これではトラブルを助長させているようなものだ。

管理組合から指示を与える、施工業者も職人に指示を与える、これによりトラブルは少なからず軽減されると思う。

分かっているようで理解できていない、だから敢えて指示とか注意を与える。言う方は嫌な気持ちになるだろうが、これをやらないとトラブルは減らない。

 

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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