キャッシュレスとは、クレジットカードや電子マネーを利用して、紙幣・硬貨といった現金を使わずに支払い(受け取り)を行う決済方法のことを指します。
マンション管理においては、管理費等を口座振替により徴収しているケースが多々見受けられますが、これもキャッシュレスに該当します。
最近コンビニやスーパーなどで、カードでお買いものをされる方が増えています。カード以外にもスマホで決済ができたりもします。
このカードにも色んな種類があります。クレジットカード、交通系のICカード、流通系のICカードなどが挙げられます。きっとお財布の中にこれらのカードは皆さん持たれていると思います。
現金が無くてもお買い物ができるから便利ですし、お店側もつり銭のやり取りが生じないから早く決済が行えます。そこでレジの無人化に向けた動きが出始めています。
近年、キャッシュレス化は私たちの生活において定着しつつありますが、マンション管理におけるキャッシュレス化、例えばマンションの管理事務室で来客用駐車場の料金などを現金で徴収しているケースでは、これを活用することが可能です。
マンション管理事務室のカード決済化
一般社団法人マンション管理業協会のホームページに、マンション管理事務室における現金のカード決済化の推進事業の取り組みに関する記事が掲載されています。
試験的にマンション管理事務室に決済端末機を設置して、利用者(管理組合)側の意見や今後の動向などをまとめた検証データが公表されています。末尾にリンクを貼っておきますので興味のある方は読んでみてください。
このカード決済化は、利便性だけを求めると時代に見合った良い方法のように思えますが、導入となると費用の問題(誰が負担するのか)や事務の煩雑さが生じたりもします。
お店とは違い、商売を前提として導入されるわけではありませんから、費用対効果が大きく左右されると思います。
マンション管理事務室において多額のお金を取り扱うケース、現金徴収の項目が多く存在し、頻繁にやりとりされるケースでは検討の余地はあると思われますが、少額のケースやそれほど頻度が生じないケースでは、費用対効果の面で導入のメリットはあまりないように思えます。
このカード決済というのは、実は利便性の問題だけでなく、管理会社側の不正を防ぐという目的があります。
最近、管理会社の不正防止対策として小口現金を無くす動きが見られます。マンション管理事務室では一切お金は預からない、これは過去に生じた管理人による小口現金の横領を防ぐ目的があります。
現金を取り扱うと人によっては魔が差すことがあります。これが過去に起きた横領のきっかけになっていると思います。
そこでマンション管理事務室では小口現金は一切扱わず、管理会社の会計事務は煩雑になりますが、加算請求しているケースが多々見られます。
加算請求とは、毎月の管理費等と一緒に来客用駐車場使用料などの個人請求分を加算して、所有者の引き落とし口座から徴収する方法です。口座振替を利用していない管理組合においては振込みになりますが、その場合も同様です。
所有者に対してはこの加算請求は可能ですが、口座振替を行っていない賃借人への対応がそこで問題視されたりもしますが、管理組合毎に徴収方法を検討し進めらているのが実情かと存じます。
個人的には、このカード決済があったら便利だと感じますが、マンション管理事務室におけるカード決済化は、今後においてあまり普及しないように思えます。
マンションにおける電子化が望まれていますが、これだけITが進歩しているのに未だに掲示板に書面を貼るという風習から多くのマンションは抜け出せていません。
一部のマンションではクラウドサービスを利用した情報交換などが行われていますが、全体比率からして1割にも満たない、そんな記事を見かけたことがありますが、マンションのIT化においても、今後どのように普及していくのか現段階では未知数です。
便利なものは上手に活用する、この考え方は常に持つべきだと思いますし、一挙にできなくても、部分的に活用することはできると思います。