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マンション管理組合

マンション管理組合の管理者について

2018年2月8日

 

分譲マンションには「管理者」が置かれている。「管理者」とは文字通り「管理を行う者」のことを指すのだが、マンションの共用部分、建物の敷地、そして付属施設を管理するために選任されるのが管理者である。

この管理者については、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)に選任方法、権限などが規定されている。

区分所有法第25条/選任及び解任

区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。

2 管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。

区分所有法第26条/権限

管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。

2 管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。

3 管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

4 管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。

5 管理者は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合には、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。

区分所有法第27条/管理所有

管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。

2 第六条第二項及び第二十条の規定は、前項の場合に準用する。

区分所有法第28条/委任の規定の準用

この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。

区分所有法第29条/区分所有者の責任等

管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者がその責めに任ずべき割合は、第十四条に定める割合と同一の割合とする。ただし、規約で建物並びにその敷地及び附属施設の管理に要する経費につき負担の割合が定められているときは、その割合による。

2 前項の行為により第三者が区分所有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行うことができる。

※上記の赤字の条項はこちら ☞ 区分所有法



この管理者は、マンションの管理規約で理事長を管理者と定めているのが一般的である。

マンション標準管理規約第38条第2項/理事長

2 理事長は、区分所有法に定める管理者とする。

「マンション標準管理規約」は、管理規約を作成する際のガイドラインとして国土交通省が公示しているのだが、2016年3月にこの標準管理規約の改正がなされ、管理組合役員および管理者について、組合員以外の第三者が引き受けられるようになった。

歴史を辿れば、管理組合役員の資格条件については、「現に居住する組合員」という当初の規定から、「組合員」に範囲が広げられ(現に居住するという条件が緩和され)、そして「組合員以外の方も含まれる」という時代の流れになっている。

 

この過程で窺えるのは、管理組合役員の成り手不足の問題などがその背景にある。

この標準管理規約では、あくまで第三者は理事長に就任しない限り管理者にはなれない。それと、それぞれのマンションの管理規約を標準管理規約の内容に準じて改正しなければ、従来のままの規定となる。

所有者の入居比率が高い管理組合では、当初の「組合員」のままになっているケースもあるだろう。あくまで規約改正は、個々のマンションの実情を鑑みて、必要に応じて改定されるべきものとなろう。

話は少しそれるのだが、組合員は所有者(登記簿上の名義人)になるのだが、同居されている親族(配偶者)が理事会や総会に出席され、採決に加わることがある。厳密に言えば、組合員資格を持たないから管理規約に反していることになる。

詳しくはこちら ☞ マンション管理組合|配偶者は役員になれるのか?

そのケースを認めるのであれば、「組合員」から「組合員以外」に改定された方がいい。その場合、親族の範囲を特定することが望まれる。例えば、「同居している1親等の者に限る」などが挙げられる。

 

管理者に求められるもの

管理者に求められるものがひとつある。

その立場を私的に流用しない

人は権力を握ると自制心を失ったり、自身をコントロールできなくなったりする。もし悪に手を染めれば、後に高い代償となって自分に返ってくる。

私が管理会社時代に、管理組合理事長(管理者)が指名した業者から便宜の見返りとして賄賂を受けっていたという事実を知り、当時ショックを受けた記憶がある。その手の話は、私が業界にいたときによく見聞きした。

詳しくはこちら ☞ マンション管理組合|独裁型の理事長はいらない!



私が管理会社の経営者時代の話になるが、色んな業者が営業で会社に訪ねてくる。全く付き合いがないのに、手土産や商品券などを差し出す営業担当者がいて、中には経営者もいた。これはビジネスマナーなどではない。

金品で人を釣り上げる悪徳業者がやることだと個人的にそのように感じる。見方を変えれば、完全に人を見下している愚かな行為に思える。なので、業者の面会は全て断っていた。

もし経営者が平然とその業者から金品を受け取るとしたら、そこにいる社員はその行為が良かれと思い込み、同じことをするのではないだろうか。そんな些細なことから、横領だとか金品に纏わる不正というのが起こる。

経営者は誰よりも襟を正すべきだと思うし、経営者は社員の模範となる。

いつもの如く話が横道にそれてしまったので、ここで軌道修正したい(笑)。

マンションの管理者というのは、経営者と異なる部分が多いが、前述の業者からの誘惑などによって、そこで自制心を失えば、立場を利用した「私的流用」が繰り返される。

なぜ「私的流用」がダメなのか、それは価格調整という管理組合の利益に反する行為に繋がるからである。例えば、100万円の実施可能な工事が150万円になったりする。便宜を図るというのはそういうことである。そして見返りの代償を管理組合が背負う、そんな馬鹿げたことは誰も許さないだろう。

 

管理者の知人の業者を指定(紹介)する行為が仮に善意であったとしても、周りから不審を招くことに変わりはない。

なので、管理者は自ら業者に関与すべきではない、個人的にそのように思う。それは当人のためでもある。

これらは管理者の立場上、利益相反という関係になるのだが、フランスやイタリアでは、管理者が業者を指定する行為に関して制約が多く義務化されている。日本では、管理者の義務として善管注意義務(区分所有法第28条、民法644条)が課せられるのだが、業者との関係については、特段規定はなく、管理者の秩序とモラルに委ねられることになる。

 

マンションの管理者が第三者になるケースが今後増えていくものと思われるが、管理者を外部に委ねる際に注意すべきことがある。

 

第三者管理方式の注意点

第三者管理方式とは、組合員以外の第三者が管理組合役員に就任し、その職務に応じた管理を行うことを意味する。その第三者が理事長に就任すれば、規約上の管理者となる。

一般的に考えられる第三者には、マンション管理士、弁護士、建築士などの専門家が挙げられる。状況によっては、そのマンションの管理会社が管理者になるケースが考えられるが、利益相反の関係者となる管理会社は避けた方がいい。

それは、前述の「私的流用」の当事者になり得るからだ。なので、利益相反に関係しない、中立的な立場、そして管理組合の立場で忠実に職務が行える第三者が理想である。
注文が多いのだが…(笑)

個人的には、知識と経験が豊富、そして人情味のあるマンション管理士の先生が理想である。
ここでも注文が多い…(笑)

第三者の専門家なども、前述の業者との関係は十分意識する必要があるだろう。

 

 


 



-マンション管理組合

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