管理組合

マンション管理組合運営は国の政治と同じ!

2019年6月19日

 

マンション管理組合の管理運営は、国の政治とよく似たところがあります。

それは、生活する上で必要なことだと分かっていても、あまり関心を持たないという点です。

無関心さの理由のひとつに、物事の取決めの難しさがあります。

戸建住宅であれば、その所有者は自分の好きなように管理が行えますが、分譲マンションの場合ですとそうはいきません。物事の取決めは「多数決の原理」が採用されていますので、自分の意見が通らないことはよくあります。

だから、他人任せ、無関心を生んでしまいます。

国の政治も全く同じことが言えます。

 

他人任せは権力者を生む

自分の意見が通らない、面倒くさい、そんな理由で他人任せにしておくと、良からぬ結果を招きます。

他人任せは、少数派の偏った意見を生み、それが恰も正しい選択としてまかり通ります。これが続くと権力者が生まれ、周りはその権力者に逆らえず、独裁的な意見がまかり通ることになります。

他人任せというのは、結局は不満を生むことになるのです。

独裁者がいれば国は滅びる、そんな言葉通りの管理組合になっては困りますよね。



参加者が少ない総会・理事会

分譲マンションには理事会という役員で構成された組織と、所有者全員で構成された管理組合という組織があります。

所有者全員の話し合いの場が総会になります。その総会に参加している所有者は毎回同じメンバーになっているマンションが実情として多く存在します。

総会の参加者が少ないマンションは、管理組合の運営とかマンションのことを理解されていない方が多く、数少ない出席者の意見で物事が決められるため、それに不満を抱かれる方が多いという矛盾がそこにあります。

そうなると、参加者にも不満の声が上がり悪循環に陥ります。

多くの管理組合が形骸化している理由はそこにあって、結局のところ、他人任せが管理会社任せと化し、この管理会社が物事の決定に際して大きく影響を及ぼすことになります。

そっちの方が管理組合にとって、最悪な結果を招くことは言うまでもありません。

管理組合の理事に就任されたら、総会の出席者をいかに増やしていくか、これが課題になります。

しかしながら、この理事会ですら出席者が少ないのが実情として多々窺えます。

なので、総会、理事会の開催にあたっては出席者が多く集まる日を設定する、これは前述の課題の解決策になります。例えば、地域の行事(運動会など)と重ならない日を選んだり、事前にアンケートを取って、出席者が多く集まる曜日や時間を選ぶことも対策になると思います。

管理会社が総会や理事会の開催日を決める権限は一切ありません。ですが管理会社がスケジュール管理を自分たちの都合で行うという実情がそこに存在したりもします。

管理会社にとって、総会や理事会の出席者が少ないのは好ましいことです。なぜなら、会合は早く終わるし、自分たちのペースで物事を進められるからです。

なので、管理会社ではなく理事長そして理事会が総会などの日程を決めることが大切ですし、会合の舵取りを管理組合自身が行うことが大切です。

 

👆 総会や理事会が管理会社主導、こんな光景になっていませんか。

 

管理会社主導の総会、理事会では、良いマンション管理など行えませんし、所有者の意見が反映されない総会、理事会など何の意義も持ちません。

自分たちのマンションは自分たちで話し合って決める、これを行うための組織が管理組合であって、総会という場が与えられています。

出席者を多く集めることが管理組合を良くすることに繋がる、このことを意識する必要があります。

 


 

-管理組合

執筆者:

関連記事

管理組合の会計年度(決算月)は変更できる!

  マンション管理組合は企業と同じ3月決算(会計年度:4月から翌年3月)が多い。一般的には会計年度終了後、2か月または3か月以内に通常総会が開催されるから、毎年5月、6月に通常総会が集中する …

マンション管理組合|チェック機能って大切だよね!

  マンション管理に欠けているもの、それはチェック機能だと思います。 マンション管理は管理会社が行うものではありません。管理組合が主体性をもって行うものです。しかし実際には、管理会社に負んぶ …

管理組合役員の選出方法|階の縦割り、横割り、どの方法がいいの?

  管理組合の役員を決める際、一般的に「輪番制」という方法が用いられていますが、役回りは平等に、この考え方が根底にあります。 しかしながら、輪番制と言っても具体的にどうやって決めるのか、そこ …

管理組合の法人化のメリット・デメリット!

  管理組合は「権利能力なき社団」として扱われているのだが、法人登記を行うことで権利関係の主体となることができる。これが管理組合の法人化である。 権利能力なき社団とは 法人格を持たないが、「 …

管理組合が変わらない限り、何も変わらない!

    マンションに50世帯が住んでいれば、そこには50通りの考え方がある。また、その世帯に家族がいれば、家族の人数分の考え方がある。   マンション管理の難しさは、この …




 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

 ブログ内検索
 カテゴリー