分譲マンションを受託管理する管理会社が年々減少しています。2006年末時点で2,374社、これをピークに減少し続け、2017年末時点では過去最低の2,001社とピーク時の約85%にまで減少しています。
減少の要因として挙げられるのが管理会社同士によるM&Aです。これは2008年のリーマンショック後において頻繁に見受けられます。
資力のある企業が弱体企業を買収するといったM&A合戦が繰り広げられています。そこで大手管理会社の寡占化が進んでいます。
長引く不況の中、不動産業界において、将来的なビジョンとしてストックビジネス(管理業への転換)が有望視されてきましたが、特に分譲マンションの管理ビジネスにおいては、人材確保の難しさや、金額よりも高度な管理品質が求められる時代へとシフトし、手間、時間、お金が掛かるというリスクが相まって、新規参入が難しいという実情がそこにあります。
なので、資力、ノウハウを持った大手管理会社が強者と化し、M&Aに躍起になっているということですね。
これから、どんどん管理会社の数が減ると思います。大手管理会社のM&Aによる寡占化は続くでしょうし、どの企業も人材不足に悩まされます。
このマンション管理業って、日本人にしか出来ない仕事だと思います。別に外国の方を差別しているわけではなく、日本語を話せても文化に違いがありますからね。
過去に国内の大手管理会社が経済成長を遂げる中国へ事業進出を行っています。ですが、大半の管理会社は事業撤退という結果に至っています。文化の違いの影響というのは国内だけの話ではありません。
国内の人口減少に伴う人材確保を海外に委ねるのは、このマンション管理業に関して言えば難しいと思います。なので、人口の減少に比例して管理会社も減少することは予想できます。
近年では管理会社側から管理組合に対して管理委託契約の解除を申し入れるという話をよく耳にします。このような話からも確実に時代は変わってます。
2001年にマンション管理士が創設されましたが、中々仕事がないという実情が窺えます。そこで見方を変えれば、管理会社の減少によってマンション管理士の活躍の場が今よりも増えることが期待できます。
管理組合もまたこれまで以上に自力管理を目指す必要が出てくるかも知れません。時代は確実に変わっています。