管理会社

マンション管理会社は信用しない|これ基本!

2017年4月1日

 

分譲マンションの管理会社は、全国に2,000社以上存在する。大手企業から零細企業まで事業規模は異なるが、管理会社の企業体質というのはどこも同じように思えるのだが…

 

 

管理会社はあくま営利事業者であり、管理組合とは利益相反の関係にある。マンション管理を委託する前提として、まずそこを理解すべきである。

 

 

 

中間マージン・リベートの依存体質

管理会社は、中間マージン、リベートによって会社経営が成り立っていると言っても過言ではない。

 

 

中間マージンとは、原価に上乗せされた利益のことを指す。間接費とかペーパーマージンとも言うが、業者に丸投げして得られる利益になっている感は否めない。そこに中身が伴ってなければ、管理組合側にとっては不透明なコストであり、負担が増えるだけの不要なコストと言えよう。

 

個人的に思うことは、元請者が外注に出すときに合法であれば問題ないとか、そこで得られる利益に相応の対価が伴っていないとか、下請け業者に丸投げしてそこで生じた責任を下請け業者に押し付けるとか、自らの立場や消費者を度外視した元請者としての企業倫理の在り方に疑問を感じている。

 

 

一方のリベートは、業者に仕事を紹介したときに受け取る謝礼金(見返り料)である。バックリベートとかキックバックとも言うが、管理組合の知らないところでこのお金のやりとりが行われている。このリベートは、管理組合が間接的に負担していることに変わりはない。これも不透明で不要なコストと言えよう。

 

管理会社を介せばこのような事が起こり得る。発注者は管理組合であるにも関わらず請負業者は管理会社に対して便宜を図る。そこに疑問を感じている。

 

それを対価というのなら、正々堂々と公に商売をすればいい。管理組合の理解が得られない、それを知っているから水面下でリベートを受け取っているのではないのか。

 

このリベートについては、企業倫理が問われる。全ての管理会社がそうしているとは言わないが、やり取りの中で存在しているのは確かなことだ。

 

この中間マージン、リベートに関わるお金は、管理組合が負担していることを決して忘れないでほしい。

 

管理会社の着服横領などの金銭に纏わる事件が絶えないのは、企業倫理のあり方に問題があるとしか思えない。利己中心的な事業経営を企業自らが行っているから社員にまでそれが波及し不祥事が続くのではないのか。

 

 

フロントマン、管理人による着服横領事件はこれまで数多く発生している。国土交通省のネガティブ情報等検索サイトでこれらの不正行為が公表されている。

 国土交通省ネガティブ情報等検索サイト

 

このネガティブ情報等検索サイトには、過去2年の情報しか掲載されていない。管理会社不祥事、管理会社着服横領のキーワードで検索してみると、これまでの実情を窺い知れる。

 

大手だから安心、事実を知ればそれは不信へと変わるだろう



だから管理会社は信用されない

管理会社は営利事業者であり、管理委託契約に沿った事務的な業務は行えても、管理組合側の立場で支援することに自ずと限界がある。そこに利害が生じたり、矛盾が存在する限り、完全たる支援者にはなれまい。

 

こんな事例がある。

同一の管理会社で管理組合毎に管理委託料の単価が異なる。同じサービスを提供しているにも関わらずこの差はいったい何のか。これを管理組合側に説明できる管理会社はこの世に存在しないだろう。なぜなら、根拠を持たない場当たり単価だからである。

 

 

この矛盾は、デべロッパー系の管理会社に多い。

そもそも管理委託料というのは、定価という概念はなく、マンションそれぞれに単価が異なっている。分かりやすく言えば、マンション毎に価格を自由に決められるということだ。管理組合が他と比較しない限りそれを知ることはできまい。比較による見直しが必要だと言われる理由はそこにある。

当初の管理委託料は、管理費の算定に深く関わるからマンションデべロッパーの意向によって左右される。管理会社を系列に持つデべロッパーは、系列会社の利益を確保する。だから一般的に管理委託料は高い。

それが系列の管理会社でなく、独立系の管理会社だとすれば、当初の管理委託料はマンションデベロッパーの意向によって叩かれたりもする。

それ以外に料金格差の要因になるのが値引きである。管理会社は自らの意思で値引きはしない。先ほどの比較による見直しによって他社を引き合いに出され、そこで初めて値引きが行われる。それに応じなければ管理会社を変えられてしまう。管理会社はそれをいちばん恐れている。

もうひとつ料金格差を生む要因がある。それは営業によって新たに管理組合からマンション管理を受託するケースだ。他社との競争に打ち勝つため、当然どの管理会社も安い見積り額を提示する。新築から受託している管理組合と比較すると異常に単価が安い。

前述の「この矛盾は、デべロッパー系の管理会社に多い」、その答えがそこにあるわけだが、デべロッパー系の管理会社では、この格差は大きなものになるだろう。

これらが料金格差を生む要因であり、結果として顧客の差別に繋がっているのだ。

 

 

管理会社を頼る管理組合、他人任せの管理組合は、結局は高い管理委託料を払い続けている感は否めない。逆に管理組合主導でマンション管理に関心が高く勉学に勤しむ管理組合は、低い管理委託料で上手に管理運営を行っている。

 

この料金格差は、年を重ねる毎に大きな金額に膨れ上がる。修繕積立金の値上げをしなくてすむケースだってある。かしこい管理組合は得をし、お人好しな管理組合は損をする。これが今の実情ではないだろうか。

 

疑うのなら、一度他社から見積もりを取り寄せるといい。管理委託料もそう、工事費もそう、他社の見積り額を提示すれば、大半の管理会社は値引きに応じるだろう。健全な管理会社なら、逆に値引きには応じないだろう。そこには説明できる根拠があるからだ。

 

管理会社は信用しない。元業界人として本来なら言いたくないセリフである。だが、このような矛盾が存在する限り、逆に信用すること自体に矛盾が生じてしまう。

 

独立系の管理会社が好まれる理由は、こうした矛盾が少ないところにあるかも知れない。

 

 


 

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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