先日、マンションの理事長をしている私の知人から、管理会社変更に関する相談を受けた。
話を聞いてみると、新築当初から15年間、管理会社に管理を委託してきたが、以前から、管理員の日常清掃に対する不満や、管理組合に対する提案が全くなされない、何をやるにも時間が掛かって遅い、言わないとしない、言ってもしない、そんな最中、管理員業務費の値上げの話を管理会社から持ちかけられ、そこで住民の皆さんが限界の域を超えたそうだ。
住民の不満が一挙に爆発して、今月開催される通常総会で管理会社変更の議題を提起する運びとなった。
今月通常総会を開催するのに、民泊に関する提案など全くなされておらず、住民(所有者)の不満というのは部外者ながら理解はできる。
ちなみにこの管理会社は、社歴のある大手でマンション受託戸数ランキングの上位に君臨する管理会社である。如何にこのランキングというのが管理会社の評価に繋がらない無意味なものであるのか、このことからはっきりと言える。(詳しくはこちら)
ひとつの小さな事例かも知れないが、ひとつ存在するということは、他にも存在することを意味する。
マンション管理というのは、管理会社に何かを期待するのではなく、自分たちが何をなすべきか、その考え方を持つことが大切ではないだろうか。
無知だとそれに気付けないし、アクションも起こせない。
マンションの所有者の中に、マンション管理に関心を持たれている方がひとりでもいらっしゃれば、管理会社から提案はなくとも、民泊の話し合いは早い段階に出来ると思う。一方的に管理会社だけが悪い、それでは何の解決にも至らない。
無関心=無知、これってマンションにとって怖いことである。
言わないとしない、言ってもしない、これが管理会社の体質としてあるし、今始まったことではない(笑)。誰のためにマンション管理を行っているのか、そこを完全に履き違えている。
先日、記事として書いた「マンション管理会社のキャパシティの限界」、これが深く関わっている。
私の住んでいるマンションもその知人のマンションと同じで、住民(所有者)の不満が一挙に爆発してマンション管理の見直しへと進んだ。そこまで至らないと見直しはできないのか、そこを考えると何だか虚しく思える。
無知というのは、問題意識すら持てない。ひとりでも多くの方がマンション管理に関心を持つことで、きっと違う形の見直しはできると思う。例えそれが小さな見直しでも、それを積み重ねることでマンション管理は徐々に良くなっていくと思う。
社会情勢と同じで、いつの時代も同じではない。だから状況に合せた見直しというのは必要になってくる。そこには住民主導、住民参加は不可欠である。