このブログで何度も取り上げているマンション総合保険の値上げについてですが、昨今、更新時の保険料が大幅な値上げになって困っているとか、保険料の度重なる値上げで管理費会計が逼迫しているといった話しをよく耳にします。
私の住んでいるマンションでは、度重なる保険料の値上げで、現在、保険内容の見直しと管理費の値上げが並行して検討されています。管理費については、一住戸当たり500円程度の値上げになりそうです(悲)。
管理費の値上げに踏み切ったのは、単に保険料の値上げだけではないんです。後で説明しますが、保険を使わずに自費で修繕することも出てくるだろうと、それを見越しての値上げです。今期の理事長は計算高い人ですが、逆に500円で足りるの?って、個人的に疑問に思えます(笑)。
全国各地で自然災害が多発し、保険料の支払いが増加したため、損害保険会社が保険料の一斉値上げに踏み切っているわけですが、そこで「はいそうですか」とか「仕方がない」で簡単に固唾けられる話ではありません。
現在、保険金を受け取ると更新時の保険料が値上げになる時代です。自動車の保険と同じなんですよね。保険料が値上げになるから少額な損害であれば自費で支払う、まさしくこの発想を持つことがマンション総合保険においても必要になってくるわけです。
保険会社がそれぞれに定めた成績計算期間というものがあって、その期間内に保険金を受け取ると事故扱いとなり、件数によって更新時の保険料が大きく変わります。(詳しくはこちらの記事👇)
マンション管理組合|過去の事故件数によって保険料が大きく変わる!
なので、事故が起きた際に、まずその損害の見積金額を算出し、その金額と前述の成績計算期間内に保険金の受取る場合の保険料の値上げ幅(額)とを比較するといった検討を要します。ここで注意すべきは、受け取った保険金額の大小に関わらず1件の事故として取り扱われる点です。
例えば、台風でベランダの隔て板が破損し、その取替え費用(損害額)が6万円の場合(この6万円が全額下りたと仮定)、成績計算期間内に該当すれば1事故としてカウントされます。これにより更新時の保険料が50万円値上げされることになれば、保険申請を行わず(保険金を受け取らず)に自費で負担した方が得策といった判断が行えます。
もう一つ、逆の例として、共用配管からの漏水により、住戸内への水濡れ被害として100万円の損害が生じた場合、前述と同様のケースで更新時の保険料が50万円値上げされることになれば、保険申請を行った方が得策といった判断が行えます。
これは1事故のケースですが、期間中に2件目、3件目のケースが生じたり、件数によって更新時の保険料が異なりますので、その時々の判断に委ねられますが、こうした判断を管理組合側で行うのはすこぶる面倒です。
こうした判断を行う際に、適正な助言を与えてくれる人がいたら心強いですよね。そこで、その大役を担うのが保険代理店であり、今後において、この代理店の在り方(手腕)というものが重要視されます。
これまでの保険代理店というのは、あまり気にせずにどこも同じ的な感覚だったと思います。でも、今後は、管理組合にとって有益なアドバイスがもらえるか、そこが代理店選びには不可欠です。
保険内容の見直しもそうですよね。免責金額を高くすることにより保険料は下がりますし、補償金額を見直すとか、異なる保険会社を組み合わせた保険契約の提案とか、私たちが知らないだけで、色んな見直し方法はありますし、前述の更新時の保険料を踏まえた事故発生時の助言とか、代理店の考え方、裁量によって大きく変わります。
このことからも、保険代理店選びはとても重要です。今回、それを伝えたくて記事にしました。