第三者の目に触れる
マンション内のあちらこちらに貼られた書面や看板を見ると、住人のみならず来訪者がそれを見た場合、そのマンションの内情を窺い知ることができます。
なので、マンションの住人だけではなく来訪者などの第三者の目に触れるという認識は持つべきだと思いますし、更に言えば財産価値に影響を与えるものだと感じます。
それは貼り紙や看板に限らずマンションの総会議事録にも言えることです。例えば、質疑応答の内容が詳細に記されているケースでは、どういった意見を持たれた方が住まれているのかを窺い知ることができますし、議案に対して否決(不賛成)の多いマンションでは、コミュニケーションとか合意形成が上手く図れていないマンションだなって、人によってはそんな風に捉えるでしょう。
この否決の要因として考えられるのは、意見とか要望が出たからとりあえず議題として取り上げ、理事会で十分な議論がなされないままその良し悪しだけを総会に諮るとか、管理会社の言いなりに、理事会の意思のないまま議題に取り上げ審議する、このパターンが多いように思えます。
なかには一部のクレーマーの声に圧倒され、否決もしくは継続審議となり、そしていつまで経っても決まらないといったケースも窺えます。そういった経緯を事細かに議事録に記すと読み手からしれみれば不快に感じると思います。
そういう視点で物事を考えてみるのも必要な時代なのかも知れません。売買のときにそのマンションの総会議事録というのは、売買の関係者の目に触れますからね。
なので、知人からマンションの購入の相談を受けたときは、必ず相手に中古マンションであれば最低3期分の議事録を事前に確認するようにと伝えています。入居後に苦労するのは本人たちですからね。
議事録の閲覧者は、前述の売買の関係者だけではありません。理事長交代により、管理組合口座の名義変更をする際に、銀行によっては理事長の選任が記された議事録を要求されることがあります。そこでも人目に触れます。
マンションによっては、議事録を事細かに書かれていたりもしますが、そこまで書く必要があるのって疑問に感じることがあります。
Aさんの意見を書けば、Bさんの意見も書かなくては、それがCさんDさんって具合になって、結果として長ったらしい読みずらい記録になっていたりもします。
トンチンカンな意見もよくありますからね(笑)。例えば、その議題に全く関係のない意見を言う人、身近にいませんか?
私の住んでいるマンションでは、議題と無関係な話をして脱線させる人がひとりいます。それと毎年同じことを言い続ける人もね(笑)。
議事録というのは、要点だけをつかんで簡潔に書くのが理想です。あまりに議事録に時間を掛け過ぎると配布するのが遅くなります。例えば、管理費とか修繕積立金の値上げの議題だとすれば、欠席者にとって知りたいのは、賛否の結果と値上げ額です。
総会議事録は第三者からも見られているという認識を持てば、必要以上なことは書かないといった発想を持てるようになり、前述の「要点だけをつかんで簡潔に書く」の動機付けになると思います。
議事録の作成は、他人が干渉すべきものではありませんが、この記事を読んで少しでも参考にしていただければ幸いです。