ビジネスの世界でよく使われている「PDCAサイクル」というマネジメント手法があります。品質の改善・向上、継続的な事業活動の改善を推進するマネジメント手法になりますが、このPDCAサイクルは、マンション管理組合においても十分に活用できます。
今回、PDCAサイクルを交えた話し合いの必要性について語らせていただきます。
管理組合運営における応用
PDCAサイクルは、「計画」、「実行」、「結果・評価・点検」、「対策・改善」の4つで構成されていますが、管理組合運営に応用してみると以下のようになります。
Plan(計画)
当期の事業計画や収支予算、長期修繕計画、修繕工事を行うための資金計画、マンションの問題点などの課題(議案化)など
Do(実行)
当期の事業計画、収支予算に沿った各業務の執行、掲げた課題についての取り組みなど
Check(結果・評価・点検)
理事会による月次報告書のチェック、監事による監査、総会における当期の事業報告並びに決算報告、議案化された課題の採決など
Action(対策・改善)
当期の事業結果や決算内容に基づく改善、新たな課題の創出など
このPDCAサイクルの4つのいずれにも欠かせないのが話し合いです。
管理組合の場合ですと、理事会とか総会が話し合いの場になります。そして、この話し合いに欠かせないのが確認し合うという作業です。
話し合いが欠けてしまうと…
前述の「話し合う」と「確認し合う」、この大切な作業が欠けてしまうと中身の伴わない形式的な管理運営に陥ります。特にアクション(対策・改善)がなされないまま、それが繰り返されると、結果として住みづらい、後悔だらけのマンションと化します。
普段何気なく行っている話し合いですが、その意義を深めることで、また違った話し合いになったりもします。何のために話し合うのか、確認し合うのか、そこを理解することが大切だと感じます。
実情は…
マンション管理の知識が無いからという理由で、話し合いに躊躇される方も中にはいらっしゃるかも知れませんが、管理会社に管理を委託されているマンションであれば、その知識を補うためにフロント担当者が会合に同席しています。
なので、何か分からないことがあれば、身近にいるフロント担当者に尋ねればいいし、話し合いを重ねる毎にマンション管理の知識は深まっていくと思います。
実情として、理事会や総会に出席されない方が多くいらっしゃいます。自分たちのマンションについて話し合う大切な機会なのに参加しない、とても残念に思えてなりません。
誰かがやってくれる…
果たしてそれで良いのでしょうか…
勝手なことを言っているように聞こえるかも知れませんが、一方では真面目に会合に出席されている方がいらっしゃいます。貴重な時間を割いて話し合いに参加されている。自分のマンションのことだからと真剣に考える人や問題解決に頭を抱える人たちがいらっしゃいます。
ひとりよりも二人、二人よりも三人、話し合いに多くの人が集まることで色んな意見がそこにあって、色んなアイデアがそこで生まれたりもします。皆さんで知恵を出し合って難題を解決できたりもするでしょう。
そこに話し合いの意義があるように思えます。