管理組合

管理組合の法人化のメリット・デメリット!

2018年5月5日

 

管理組合は「権利能力なき社団」として扱われているのだが、法人登記を行うことで権利関係の主体となることができる。これが管理組合の法人化である。

権利能力なき社団とは

法人格を持たないが、「団体としての組織を備え、多数決の原理が行われ、構成員の変更にかかわらず団体が存続し、その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理等団体としての主要な点が確定している」、この団体を権利能力なき社団という。

以前は30人以上の区分所有者が存在する管理組合に限定されていたが、2002年の区分所有法の改正でこの人数要件が撤廃され、どの管理組合でも法人登記を行うことができるようになった。

〇〇管理組合法人

管理組合の法人登記を行っている割合は、国土交通省のマンション総合調査(2013年度)によると全体の12%程度となっている。2002年の法改正により、管理組合の法人化が増えることが予想されたが、実情としてそんなに大きく変わっていない。

そもそも管理組合が法人化できることを知らない、法人化について検討したがメリットがない、もしくはデメリットの方が大きい、そんな管理組合が多いのではないだろうか。

管理組合の法人化については、マンション毎に考え方は異なるだろうし、実際に検討してみると法人化した方が良いケースもある。



管理組合の法人化のメリット・デメリット

管理組合の法人化には、メリットとデメリットが存在する。

 

管理組合法人化のメリット

不動産の登記名義人になれる

独立した法人格を有するため、不動産を購入する際に管理組合法人名義で登記できる。管理組合が不動産を購入するケースでは、隣地(空き地)を購入し、駐車場として運営したり、将来の建替えに備えたり、マンションの住戸を状況に応じて購入されることもあるだろう。

法人化されていないケースでは、理事長名義で登記したり、共有者による区分所有としての登記となる。

理事長名義で登記する場合、理事長が交代する度に所有権移転登記を行う必要があり、その手続きが煩雑になったり、相応に費用が掛かる。また、理事長名義の場合、その理事長が亡くなられた場合、相続により新理事長名義への変更が困難になることが考えられる。

訴訟等の法的手続きの簡便性・負担軽減

管理費滞納者、規約違反者、立ち退き交渉などの法的措置を行うケースでは、調停や訴訟などの実行がスムーズに行える。

法人化されていないケースでは、訴訟継続中に理事長が交代すると訴訟手続きが煩雑になったり、訴訟中断を招いたり、何かと面倒なことが増える。また、理事長が原告となるため、理事長個人の精神的な負担が増える。

法人化することで、理事長個人の精神的負担を軽減することができる。

資金調達が容易になる

新たに不動産を購入したり、大規模修繕工事の実施にあたり、金融機関から借り入れを行う際は、法人化されていた方が信用力が増し、スムーズに融資が受けられる。

法人化されていないケースでは、理事長個人に連帯保証が求められたり、理事全員の連帯保証が求められることがある。

 

管理組合法人化のデメリット

法人登記の煩雑さと経費の増加

管理組合法人の場合、法人の登記事項に変更が生じる度に登記手続きを行う必要が出てくる。この手間と経費が増える、これが法人化の最大のネックと言えよう。

登記は自分たちで行うことも可能だが、一般的には司法書士に依頼されているケースが多く、変更の都度、数万円掛かる。

罰則規定

政令に定める必要な登記を怠ったとき、財産目録の作成を怠ったときは、20万円以下の過料に処される。これ以外にも管理組合法人のみに定められた罰則規定(区分所有法第71条)がある。いずれも違反すれば行政罰が下される。

財産目録とは

年度末における全ての資産及び負債の内訳明細書のことで、貸借対照表に明記できない資産や負債、価格の名称を詳細に記す書類のこと。

 

管理組合の法人化については、前述のメリットに書かれている登記とか訴訟、借り入れを行う際に検討される管理組合が多いのが実情として見受けられるが、特に問題が生じなければ「権利能力なき社団」のままで法人化する必要はないように思える。

よく耳にするのが、大規模修繕工事の実施にあたり、金融機関から借り入れを行う際に理事長個人の連帯保証が求められるケースで法人化に踏み切る管理組合が多い。

マンションの建替え前に隣接する土地などを購入するケースも考えられるが、その場合、法人登記は欠かせない。

いずれにしても、管理組合の法人化の知識は持っていても損はない。

 








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