マンション管理に欠けているもの、それはチェック機能だと思います。
マンション管理は管理会社が行うものではありません。管理組合が主体性をもって行うものです。しかし実際には、管理会社に負んぶに抱っこ状態と化し、そこで大切なチェック機能が失われています。
建物・設備の点検業務を専門業者に依頼する、管理費などの徴収、経費の支払いなどの業務を管理会社に依頼する、そこまでは良いのですが、その結果に対するチェック(精査)が十分になされていないように思えて止みません。
チェックが十分でないと後に行き違いや決算書のミス、滞納放置などが発生し、特にお金のチェックを疎かにすると不正は起こり得ます。管理会社による横領事件が頻発していますが、管理会社任せの結果がこれです。この反面教師から得られるものは、管理組合側のチェック機能の重要性です。
管理会社は契約に基づく業務は行いますが、チェックするという意識は低い、だから管理組合とよく揉めるんです。要するにチェックは管理組合の仕事だと位置づけています。
しかしながら、チェックの必要性を誰も説かない、教えない、そこに問題があるように思えます。それを説明してあげるのが身近な管理会社の役割だと思いますが、チェックされると困るので口にしたがらない、それが実情かと思います。
チェックとは「良し悪しの判断」になりますが、管理会社から点検結果の報告書を毎月提出されても、そこに説明がなければ判断のしようがありません。十分な説明がないまま管理会社の見積書だけが提出されている感は否めません。
委託した業務内容をチェックするのは管理組合の役割です。実務的には理事会がその役割を担います。チェックを行い、問題があればそれを正す。この繰り返しで適正なマンション管理が行えます。
チェックを疎かにすると、問題が棚上げされたり、小さな事が後に大きくなったりもします。そこでお金が余計に掛かることだって起り得ます。それを解決するための労力も増します。
チェックというのは本当に大切です。それを誰かがやってくれたりはしません。その「誰」を明確に決めておく必要があります。