マンションの管理運営で重要なのは主役の認識である。多くのマンションは管理会社が主役、管理組合が脇役になっている。これは本末転倒である。
マンション=管理組合、これは不変であるが、管理会社は状況により変わることもある。管理会社がマンションの主役(当事者)ではないということだ。
だが多くのマンションが、マンション=管理会社、この方程式になっている。
マンション=管理会社
▶ マンションは管理会社のためにある。
▶ マンションは管理会社でその価値観が決まる。
▶ マンションは管理会社によって支配されている。
主役を履き違えるとこんなことになる。
営利事業者である管理会社が主役になると、管理組合の収入を自由にコントロールできる。管理会社の都合次第ということだ。
理事会承認、総会承認というのも形式的なものになる。
現に予算書の多くは管理会社が作成している。長期修繕計画だって同じだ。お金に関わるもの全てをコントロールしている。
お金が足りなくなったら値上げ、しかも計画性なし、そんな管理体制が今もなお続いている。
チェック体制も管理会社自らが行えば当然甘くなる。ミスも多くなる。これが冒頭の本末転倒である。
主役は管理組合であり、管理会社は脇役である。管理会社のみならず取引業者も、管理組合を支援するマンション管理士もNPO法人も全て脇役なのだ。
管理組合は主役としての自覚を持つべきである。そしてもっとマンション管理について勉強すべきである。
多くのことを学べば、主役の意味が理解できよう。
参考となる教科書は、ネット上にあふれている。マンション管理の支援者によるセミナーも開催されている。
管理会社主催のセミナーははっきり言って意味がない。反面教師として受講するのなら役に立つかも知れない(笑)。
理事長、理事に就任したけど、何をしたらよいのか分からない。分かるはずもない。利益相反の管理会社がそれを教えることはできないし、自分達でそれを見つけるしか手立てはないのだ。
見つける手掛かりは、まず「管理組合が主役である」、この自覚を持つことだ。そしてマンション管理に興味を持つことだ。
収入には何があるのか、支出にはどんな項目があるのか、お金の流れを把握することが重要である。
何かを決めるとき、自分の家計と同じことをやればいい。品物を買うときに金額や品質などを比較して購入するだろう。マンション管理もそれと全く同じである。
自分でお金を払って何かのサービスを受けたとき、その良し悪しを評価するだろう。マッサージ、クリーニング、理髪、受付応対などの評価、それと全く同じで、管理会社が行った業務について評価(チェック)する。
自分にとって管理組合は他人ではない、当事者なのだ。だから全て自分に置き換えて物事を考えることが大切である。
普段の生活において分からないことがあったら自分で調べるだろう。ネット記事や本を読んだり、人に聞いたりして学ぶ。
普段行っていることが、マンション管理には活かされていない。そこがマンション管理の盲点とも言える。だから管理会社が主役、管理組合が脇役になっている。
結局は管理組合が色んなところで損をしているということだ。
主役が誰なのか、これによってマンション管理は良くも悪くもなる。同じ主役でも独裁者は管理組合にはいらない。