管理人

マンション管理人はこうあるべき!

2019年8月16日

 

マンションの管理人、業界では管理員と呼ばれていますが、この職業を簡単に考えている方が意外と多くいらっしゃいます。

誰でも簡単になれる?

近年、管理人の人手不足によりどの管理会社も人材確保に苦労しています。面接に行くとすぐに採用になったりもします。

最初が楽だと後が大変、まさにこの言葉が当てはまる職業かも知れません。

管理会社の管理員研修でよく用いられるのが、「管理人はマンションの顔である」とか「管理人は管理会社の顔である」、これらの言葉です。

大事なポジションということが言いたいのでしょうが、十分な教育指導がなされないまま、現場(マンション)に派遣されているという実態がそこにあったりもしります。

簡単と考えているのは、実は管理会社側であって、実際に働かれている管理人さんからすれば、受け取っている給与に見合わない仕事を強いられているというミスマッチが存在します。

人手不足の要因のひとつは、そこにあると思います。

管理人になりたいという方は私の身近に多くいらっしゃいますが、実情を理解していないとせっかく就職してもすぐに離職してしまうことになりかねません。

今回、管理人の仕事について語らせていただきます。

 

マンション管理人はやることが多い

マンション管理人の業務内容は、派遣先のマンション毎に異なります。そして細かい部分は管理会社毎に違いがあります。

私の管理会社時代に、管理人の採用に伴う面接を多々経験させていただきましたが、応募者の多くは、管理人室の椅子に座って受付業務を行う、そんなイメージを持たれて面接に来られます。そこにギャップがあります。

現実は違います。マンションの巡回でヘトヘトになるくらい歩きまわらなくてはなりません。規模の大きなマンションであればなおさらです。

さらに清掃業務では、細かなところまで配慮せねばなりません。掃き拭き清掃、くもの巣の除去、ゴミ置き場の分別、床の洗浄など、マンションの清掃というのは決して楽ではありません。特に夏場、冬場の清掃は大変です。

そして住人の相談や苦情などが身近にいるから毎日のように入ってきます。その対応に苦慮します。管理会社のフロントマンの対応が遅いとか悪い、そこで住人との間に挟まれ、ストレスを抱えることもあるでしょう。

面接時にそのような説明をすると半分以上は辞退します(笑)。

 

 

このように書くと管理人の仕事はただしんどいで終わってしまいますが、管理人という職業にやりがいとか生きがいをもって、マンションのために一生懸命努力している管理人は多く存在します。

私の管理会社時代に、この管理人たちから努力の大切さを教わりました。逆に励まされることも多かったですね。

管理人の仕事は、人の役に立てる仕事だと思います。挨拶ひとつで人を幸せにできる素敵な仕事でもあります。本当に誇り高き仕事だと思います。

私は床に這いつくばって一生懸命拭き清掃をしている管理人を知っています。雨の日に住人が滑って転ばないよう配慮を欠かさない管理人も知っています。分別がなされていないゴミ袋を嫌な顔ひとつせずに分別している管理人も知っています。

マンションのために一生懸命頑張っている管理人がいらっしゃるから、マンションは快適に過ごせる、そのことを忘れてはなりません。



一方でこんな管理人はいらない

逆にこんな管理人が中にはいらっしゃいます。きっと反面教師になるでしょう。

マンションにおいて、平気でタバコを吸う管理人を見かけます。管理人の教育指導では、マンション全館禁煙、敷地内においても禁煙、これが近年では一般化されています。

なぜ禁煙にしているのでしょう。それはマンションをきれいにする立場、そして住人さんの模範になる立場だからです。これは管理人のみならずマンションに出向くフロントマンを含めたスタッフも同じことが言えます。

タバコのポイ捨てはマンションの治安を悪化させます。火の付いたタバコのポイ捨ては危険であることは言うまでもありません。管理人室内での喫煙は壁や天井が汚れますし、悪臭を生じさせます。管理人室は管理組合の大切な所有物であり、管理会社の所有物ではありません。

 

 

管理人の評判に大きく関わるのが挨拶です。人と挨拶を交わすときに相手の顔を見ずに挨拶する人を見かけたりもします。相手の顔を見ずに挨拶するのは、相手に思いは伝わりませんよね。

特にビジネスで用いる挨拶には礼儀さとか謙虚さが必要です。これは管理人が悪いのではなく、管理会社の教育指導に問題があると思います。

中にはガムをくちゃくちゃ噛みながら相手と話をする人、ポケットの中に手を入れて相手と話をする人がいますが、前述の礼儀とか謙虚とは乖離し、人によっては不快に感じるでしょう。

管理人室で休憩時間でもないのに新聞や本を読んだり、スマホをいじっている方を見かけたりもしますが、傍から見たらどう思われるのか、これ以上言わなくても分かる人には分かると思います。

管理人に課せられた使命は、マンションを安全に快適に暮らすために身近にいてサポートしてあげることだと思います。教育指導が不十分だとマンションを危険に不快に暮らすと化します。

身近にいる管理人によって、マンションは大きく変わります。だからマンションの顔となり、管理会社の顔となる、そこを理解していない管理会社が本当に多いです。

人手不足の今、契約不履行にならぬようとりあえず派遣しておけばいいで終わっている感は否めません。

これから管理人の職を希望されている方は、やりがいとか生きがいをもって、是非マンションのために頑張ってほしいと思います。

 

 


 

-管理人

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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