管理人

マンション管理人とプライバシー!

2017年4月30日

 

マンション管理人は管理会社が雇用しているケースが一般的だ。だから雇用形態はどうであれ管理会社の社員ということになる。

私はこれまで多くの管理人を見てきたが、気になることがある。

マンションの住人と管理人の関係、そしてプライバシーだ。今回、この気になることについて語る。

 

管理人に求められるもの

管理会社と管理人の間では雇用契約が結ばれ、当然に与えられた業務範囲というものがある。

管理会社というのは、それぞれの業務に担当者を置いている。管理人もそのひとりだ。

管理会社の行う業務は、管理組合を代理する業務が一般的だ。契約上、委託委任の関係にあるのだ。

この管理会社に求められるのは公平性である。マンション住人に対して差別してはならない。サービスに格差を設けてもいけない。これが基本的な考え方になるだろう。

 

 

これは管理会社の全社員に与えられた規範でもある。だから管理人も当然この規範を守る必要がある。

これが委託委任の関係上、当然にこの規範が管理会社側にある。これが前提としてある。



管理人のトラブル

マンション管理のトラブルで多いのが騒音問題、ペット問題、駐車場の取扱いの問題、滞納問題などが挙げられる。そしてマンション管理人に関わるトラブルも多い。

管理人のトラブルの具体例を挙げる。

特定の住人と仲が良く、その住人といつも立ち話をしている。
仲の悪い住人とは挨拶をロクに交わさない。

☞ これらの私的行動がきっかけでトラブルへと発展する。

私が管理会社に勤めていた頃、これらをめぐるトラブルが一番多かった。

人間だから情を持つし、私的感情もある。だが仕事なのだ。それを仕事に用いてはいけない。

公平性という規範が守られていない、だからトラブルになるのだ。

トラブル、クレームには原因とそうなる過程がある。それを教育・指導するのが会社の役目となる。

こんな事例もある。

管理人はマンション住人から物を受け取ることがある。断れないという管理人も多い。これは管理人でなくてもビジネス社会ではよくあることだ。

贈る相手側の気持ちを察すれば、断わることが失礼にあたるだろう。だがここで少し考えてもらいたい。

特定の人から物を貰うとどうなるかだ。人間には返報性という心理がある。もらった恩は恩で返すとうことだ。これがもし差別に繋がるのなら、受け取るべきでない。

また、その光景を他の住人が見た時にどう思うかだ。物を贈った善意の住人に偏見の目がもし向けられるとしたら、それを知って物を貰うことが果たしてできるだろうか。

私は現役時代に住人からの贈り物は絶対に受け取らない。管理人教育もそうだが社員教育も同じことを徹底して行った。

そうすることで正々堂々とビジネスに専念できた。

 

管理人とプライバシー

マンションの内情を一番知っているのが管理会社だ。そして現地にいる管理人はもっとそれを知っている。だから管理会社には守秘義務が課せられている。

マンションの内情を外部に漏らさない。これが管理会社に与えられた義務だ。

 

 


 

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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