昨日7月14日(金)、ポータルサイトのヤフーのトップ記事に分譲マンションの管理人に関する記事が取り上げられていた。
管理人の人手不足は今始まったことではない。10年くらい前から管理人の求人募集をしてもなかなか人が集まらない、そんな求人事情が続いている。
東京都内で管理会社を経営している知人がいるのだが、「管理人がいなくて困っている」、その話をこの記事を読んで思い出した。
その記事の冒頭で語っている言葉がとても印象に残る。
管理人はいるのが当たり前、そう思い込んでいる人ほど、彼らが普段、どれほど面倒事を引き受けてくれているかを知らない。いざいなくなったとき、待ち受けているのは絶望的な現実だった。
管理組合からしてみれば、身近な管理人を頼りにする、それはごく自然なことのように思える。だが、過剰に期待し過ぎると、結局は業務外の仕事が増えてしまい、管理人の負担が大きなものになってしまう。そんなケースが実情として多いと思う。
これは管理組合だけの問題ではない。雇用先の管理会社にも言えることだ。管理人の負担が増えれば、一方で楽をする社員もいる。それが管理組合の窓口となるフロント担当者である。
管理人に何かと仕事を押し付ける。自分が忙しいから、それは言い訳であろう。
フロント担当者は自分の存在意義が薄れていることに気付いていない。
管理人に期待が寄せられると、管理人に求められることが当然に増える。コミュニケーション能力、解決能力、点検立会を依頼しているのであれば、チェック能力も必要になろう。
管理人の多くは時給月給制である。少ない給与に割に合わない仕事、このように書くと客人である管理組合には失礼な話になるが、実際に管理人が受け取っている給与は少ない。
管理組合が管理会社に支払っている管理人の業務費と管理人の手元にいく給与は全く異なる。
だから管理組合によっては、管理人の負担を見込んで時給アップを望み、場合によっては直接雇用することを考えたりもしている。
各都道府県の最低時給で働いている管理人も多く存在する。これが今の実情なのだ。
それに比べ、フロント担当者、そのうえの上席者、経営陣は管理組合のためにいったいどれだけ貢献しているのだろう。
自分たちの給与を下げて、もっと管理人に相応の待遇を与えるべきではないのか。
批判エンジンがさく裂しそうなので、この辺で終わりにしたい。
普段いるのが当たり前、その当たり前が突然なくなると本当に寂しくなる。
22年間、共に暮らしたひとり息子が今年の春、就職のため親元を離れ県外へと巣立った。前日、当日はとても寂しかった。
マンションの住人にとって、管理人は身近な存在である。居なくなると寂しいと感じる方もいるだろう。きっと管理人も同じ気持ちであろう。
管理人の人手不足、これはマンションにとって深刻な問題である。情はあっても継続性がなくなればマンションとして困ることになる。
他人事とは思わずに管理組合の今後の課題として重く受け止めるべきではないだろうか。冒頭の記事を読んでつくづくそう感じた。