管理組合の理事長に就任したら
管理組合の理事長は管理組合の代表者になる。会社組織に例えるなら社長にあたる。会社組織と違うのは社長の選出方法だ。
管理組合の役員は、一般的に持ち回り(輪番制)によって選出される。マンションに住んでいればいつかはこの役員の順番が回ってくる。そしてこの役員の中から理事長が選ばれる。自薦や他薦という方法もあるのだが、多くはくじ引きで決めるケースが多い。
そこで理事長になったら、きっとほとんどの方が不安に駆られるだろう。この不安というのは何をすればいいのか分からない、この思いからくる。
理事長を初めて経験するのは、どのマンションの理事長も同じだ。中には万年理事長も存在するが、比率からすれば1割にも満たないだろう。
管理組合の中でも特に権限と責任が大きいのが理事長だ。このように書くとドン引きされるかも知れない。だが立場的にはそういうことになる。
理事長は、管理会社などの外部との契約取引において、管理組合を代表する立場にある。それだけではない。理事会を引っ張り、管理組合をどのように運営していくか舵取り役になる。
理事長の知見と能力、人柄で管理組合の活動レベルは大きく変わる。かといって理事長が独裁者であっては困る。これだけは注意せねばなるまい。
私はこれまで多くの理事長と接してきた。理事長未経験者なのに適任者と思えるくらいすばらしい方も中にはいらっしゃった。
理事会、管理組合をぐいぐいと引っ張って、物事の考え方も実にすばらしい。だから説明にも説得力がある。そして誰よりも人の意見をよく聞く。本当に頼りになる存在に思えた。
公平に物事を考える、こちらがアドバイスしなくても集団組織の規範を理解されている。だから住人からの人望が厚い。
そして「マンションをもっと良くしていこう!」この気持ちに満ちている。
この気持ちを持つことが、最高責任者である理事長には必要だと思う。これを大義とし、行動に移せばいい。そうすれば誰も文句は言えまい。
<追伸>
あのパナソニックを一代で築き上げ、経営の神様と称された松下幸之助が世に残した有名な言葉がある。
この格言は、理事長にも言えることではないだろうか。