近年、マンション管理会社の管理委託料値上げに関する話をよく耳にします。ネット上にもこれに関連した記事が最近増えています。
特に管理員業務とか清掃業務を自社雇用のスタッフで行っている管理会社では、昨今の全国的な最低時給の底上げで賃金負担(経費)が増え、そこで値上げを余儀なくされるケースも出てくるでしょう。
また、2019年4月1日から年5日の有給消化義務が企業に課せられていますので、スタッフの有給休暇取得に伴い、自社スタッフで調整できない場合は外部の人材派遣会社を利用するケースが増えています。その場合、時給が割高に設定されているため経費は更に膨らみます。
こうした内情があって、管理委託料の値上げが生じ、受託先のマンションの管理組合に相談するといった動きに至っているわけですが、そこで管理会社に足りないものが一つあります。
今回、それについて語りたいと思います。
相手を見ない管理会社!
前述のとおり、値上げにはちゃんとした理由があって、マンション管理会社にとって経営に関わる重要なことだから値上げに踏み切る、ここまでは理解できます。
しかしながら、それは管理会社の自己都合であって、並行して考えなくてはならないこと、そこが抜けているように思えてやみません。
値上げは管理会社だけの問題ではありませんよね。値上げを強いられるマンションの管理組合にとっても深刻な問題と化します。この値上げにより、管理費会計が逼迫し赤字に転落することだって起り得ます。
先日、管理会社にフロントマンとして働いている知人から、管理委託料の値上げの話を聞かされました。
会社からは値上げの指示のみで、相手方の都合は一切無視という話を聞いたとき、腹立たしさを覚えました。値上げ前にやるべきことがあるだろう…と
管理委託料の値上げにより管理組合の管理費会計の収支について、気にする管理会社の経営陣は存在するのだろうか?まずそこを問いたい。
値上げ前にやるべきこと!
顧客の立場を理解することは、管理会社にとって重要なことだと思います。というかそれが抜けていたら信頼関係など築けませんよね。
この気持ちがあるとすれば、値上げと並行して顧客先(管理組合)の管理費会計の収支は大丈夫なのか、そこが気になるはずです。
わからない人にいくら言ってもわかりっこありませんが…
なので、管理会社から管理委託料の値上げの相談がきたら、管理費会計の収支は大丈夫?ってこちらから確認する必要がありますよね。
逆に先読みの提案ができる管理会社だとすれば、顧客のことを大事に考える管理会社だと思います。言い難いことでも正直に言うのは、とても勇気のいることだと思いますが、信頼関係を築くうえで大切なことではないでしょうか。