管理会社

管理会社のフロントマン・管理人の現金の立て替えは禁止すべし!

2021年2月1日

 

マンション管理会社に限ったことではありませんが、本来会社が負担すべき備品・消耗品などの代金を従業員が一時的に立て替えるケースがあります。

マンション管理会社においては、備品・消耗品などの代金をフロントマンや管理人が立て替えて後日精算するといった方法が一般的に用いられていますが、他の業種と違うところは、顧客(管理組合)の経費を従業員が立て替えるといった点です。

例えば、総会時のお茶代とか会場使用料、マンションの清掃時に使用する雑巾や洗剤などの清掃用具、共用トイレで使用するトイレットペーパー、それとゴミ袋などが挙げられます。清掃用具・トイレットペーパーについては、契約条件により管理会社が負担する場合があります。

 

 

会社の経費の立て替えでは、担当先(営業先)のマンションへの移動時に公共交通機関を利用した場合の交通費や、車で移動した際のコインパーキング代などがありますが、両者を合わせると月によっては数万円の立て替えが生じたりもします。

この立て替えの精算にあたっては、経理事務の煩雑さを解消するため、月1回の精算になっているケースが多く、その場合、立替えたお金はすぐにもらうことができないため、社員の中には個人のカードローンを使って立替えをされていた方が私の現役時代にいました。

ここまでくると個人のお金なのか会社のお金なのか識別が鈍くなります。私が思うに、こういった立て替えの在り方がフロントマン、管理員の横領事件に繋がっているように思えて止みません。

私の管理会社時代に、この立て替えに対して不満を口にされるフロントマンは結構いました。この立て替えというのが頻繁に発生するので、毎月自分の小遣いや食事代の中から立て替えることに抵抗を感じるのは当たり前です。

会社のために給与の一部を常に立て替え分に回さなければならない、社員に過剰な負担を強いらせるといった馬鹿げた風習が管理会社の社内にはあります。会社は立て替えをしなくてすむので、その分経営はある意味楽になりますわね。



昨年、大手管理会社の従業員が備品購入時に、自分の飲み物や日常品などを含めて管理組合側に請求するといった不正行為に関する記事を取り上げましたが、そこで注意すべきは、同じ会社で11名もの従業員が行っていたという点です。その人数からして異常としか思えません。完全に善悪の識別がマヒしているように思えます

その記事はこちら👇

マンション管理会社による横領事件|処分の在り方を問う!

 

フロントマンの月1回の精算時には領収書の山です。人によっては途中で領収書を紛失したり、期間が経てば何の領収書なのか忘れたりもするでしょう。そこで私物の領収書と間違えることが起こり得るかもしれません。

 

マンション管理会社の場合、管理組合の立て替えが生じますので、前述のような領収書の紛失とか、何の領収書なのか忘れる、私物の領収書と間違えるといった行為は絶対に許されるものではありません。

前述の不正行為を知る限り、マンション管理会社の管理体制が甘すぎると思いますし、立て替えの管理体制の見直しが必須だと思います

フロントマンや管理員の立て替えというのは、社内だけの問題ではない、そこに注意を払う必要があります。

前述のとおり、従業員の立て替えは人によってはリスクが生じます。入社時に全く説明を受けることなく、会社のために立て替えを行っているわけですから、そこに納得できない従業員もいるでしょう。

人によってはリスクを履き違えてリターンを求める輩がいるかもしれません。そこで前述のような不正行為が生じたりもします。

会社には不正を起こさせない管理体制が必要不可欠です。そこでリスクを負わせる行為、リスクを生じさせる行為を自ら行っていないか、そこに重点を置くべきです。

もっと会社側は従業員の立場で物事を考える必要があると思いますよ。個人的な意見になりますが、フロントマンや管理人には不要なリスクは負わせない、願わくば立て替え禁止にすべきだと思います。

立て替えを減らせる方法は、前向きに考えればいくらでもあります。交通手段として公共交通機関を利用するなら、交通ICカードを出かける前に渡すとか、コインパーキングにおいても専用カードを使えば現金無しで利用できます。

 

 

備品・消耗品などの購入においても商品項目は限られているので、会社でまとめて購入するとか、無くなる前の早い段階なら会社で購入することは可能です。その他にも交通ICカードや流通系ICカードを利用すればキャッシュレス化が図れます。実際にそのような管理体制を徹底している管理会社が存在します。

マンション管理会社の総務や経理などの非生産部門では、最少人員でやってるところが多いから「そこまで手が回らない!」、そんな声が聞こえてきそうですが、管理体制を見直す上ではそんな悠長なことは言ってられません。

11名の不正を見抜けなかった管理会社が存在したという事実を、他人事のように考えずに反面教師として捉えるべきだと思います

新型コロナウィルスの危機管理体制の在り方もそうですが、そこで管理会社に格差が生じているのは事実です。今回、主に管理会社の記事になってしまいましたが、何度も言いますが、従業員の立て替えは禁止すべきだと思います。お金の公私混同は不正のもとです

 


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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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