戸建住宅には無くマンションだけに存在するもの、それは何だと思いますか?
その答えはスケールメリットです。
スケールメリットとは、同種の物が多く集まることにより、単体よりも大きな効果をもたらすことを意味します。
住宅を1つとして数える場合、戸建住宅は1つ、それに対し50戸のマンションだと戸建住宅の50倍になりますよね。
1:50 ☜ この差は大きい!
マンションの各住戸に設置されているもの、その多くは同じものです。例えばメーターボックス内に収納されている給湯器、住戸内のインターホンなどが挙げられますが、これらは新築時には同機種が設置され、十数年後には交換を要します。
マンションによっては、一斉に交換するケースが見受けられますが、その場合、1個当りの工事費用を安く抑えることができます。これがスケールメリットであり、マンション特有のメリットと言えます。このスケールメリットを活かすことで節約効果が期待できます。
一斉に交換するのなら、事前の周知とか計画性が必要になります。マンションによっては、長期修繕計画の中に組み入れているところもあります。
一斉でなくても、一定の時期に交換希望者を募り、まとめて実施する方法もあります。その場合、個人負担になるケースがほとんどですが、それでもまとめてやった方が割安になります。
管理組合が行う工事では、単体の交換よりもまとめて交換した方が商品の値引きが大きかったり、集約することで工事費を下げることができます。
業者にとっても、まとめてやる方が手間は省けるし、色んなところで合理化が図れるから、そちらの方が好まれます。ただし、工事日程の調整には苦労します。
専有部分に該当する設備は、広報やアンケートなどで対象者を募り、まとめて業者に発注する、この要望というのは、意外と管理組合の総会などでよく上がったりもします。
その際にきっと管理会社(フロント担当者)は嫌に感じると思います。アンケートを作成するのが面倒ってね(笑)。
なので、共用部分に関係するものは管理会社にお願しても良いと思いますが、専有部分は一切関係ないって、あっさり言われる管理会社も中にはいますよね。
自社で工事を受注するとなれば話は別、そんな管理会社もいるでしょう。管理会社を元請けにすると割高になるから、スケールメリットが薄れてしまう、そんな気がします(笑)。
管理組合の中には、専門業者にアンケート作成を依頼して実施しているところもあります。管理会社の手を煩わせることなく行えるので、その方法が得策かも知れませんね。
何かの工事を行うときに、このスケールメリットのことを思い出していただけると幸いです。