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管理費削減

分譲マンション|選べる電気料金の落とし穴!

2017年4月23日

 

平成12年3月に電力の自由化が始まり、高圧一括受電契約が分譲マンションに導入されるようになった。この自由化ではマンションの各住戸の同意が必要となるため、主に新築マンションに導入されるケースが見受けられた。

この自由化になる前は、各地域の電力会社(東京電力、関西電力、九州電力など)と高圧受電契約を結ぶ方法しかなく、契約条件も厳しいのが実情としてあった。

一定規模の大型マンションに限られ、かつ設備投資費用も管理組合負担であったため、負担面の厳しさから導入されるケースは稀だった。

この自由化後は、特定の電力会社以外の企業が参入し、導入できるマンションの規模や、設備投資費用をその企業が負担するなどの条件緩和によって、この高圧一括受電契約に切り替えるマンションが増えた。

そして更なる電力の自由化が平成28年4月にスタートした。電力の小売全面自由化だ。

電気の小売業への参入が全面自由化され、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになった。

平成12年3月にスタートした自由化は「高圧」、平成28年4月にスタートした自由化は「低圧」、このように考えればいい。高圧はマンション全体、低圧は各家庭という解釈だ。

マンションの住人にとってみれば、電気料金を安くする選択肢が増えるのだから、この自由化は歓迎すべきことだ。

ただし、これらの自由化には落とし穴もあるので注意も必要だ。これからその注意点について語る。

 

高圧一括受電契約では戸別に電力会社を選べない

高圧一括受電契約をしているマンションは、戸別に電力会社を切り替えることはできない。

ただし、高圧一括受電の電力会社によっては、マンション向けに複数のプランを用意しているケースもある。電力会社に確認してみるといい。



高圧一括受電システムの落とし穴

各地域の電力会社以外の企業が提供する高圧一括受電システムにはリスクが伴うことを知っているだろうか。

特に電気というのは生活には必要不可欠だ。停電したときに生活が止まってしまう、そんな経験をされた方も多いと思う。

高圧一括受電は、民間の企業が提供する事業だから、当然に企業が破綻することも起り得る。各地域の電力会社であれば、国の手厚い保護もあるから供給がストップすることは考えにくい。

一方、自由化によって新規参入する民間企業の場合はどうなるのか?ここが問題なのだ。

私は以前、経済産業省に出向き、この民間企業が破綻したときの国の対応について尋ねたことがある。

国の回答はこうだ。

前提として、新規参入されている民間企業は、許可制度というハードルの低い基準が用いられている。一定の条件をクリアしていれば誰でも事業に参加できるということだ。

民間企業が破綻したときに国がその企業を擁護することはしない。その民間企業を選ぶのは管理組合なのだから、破綻による損害が生じた場合は、管理組合の自己責任となるのだ。国は一切関与しない。

国が許可制度による民間企業を擁護することはしない。この考え方が当たり前なのかも知れない。破綻する度に擁護するのなら、税金がいくらあっても足りない。

この民間企業が経営破綻した場合、すぐには電気は止まらない。高圧電力の契約先である各地域の電力会社が、どのタイミングで供給をストップするかによって決まる。

そこで、各地域の電力会社にそのことも尋ねてみた。

電力会社の回答はこうだ。

民間企業が設備投資した電気メーター、トランスなどの高圧受電機器全てを、各地域の電力会社の仕様に変える必要がある。そうしなければ電気の供給はできないということだ。

ここで問題が生まれる。この高圧受電機器の費用を誰が負担するかだ。各地域の電力会社の仕様に変えるためには数百万円のお金が掛かる。規模の大きなマンションでは一桁違うことも考えられる。

その民間企業を選んだ管理組合が負担しなければならないということだ。

ただし、電力会社の回答もあいまいな点も多い。実際に破綻してみないとどうなるか分からないということだ。

この高圧受電システムを導入するのなら、破綻した場合の管理組合リスクを十分検討することをおすすめする。

対策として考えられるのが、万一破綻したときのことを考え、スムーズに設備の移管ができるよう高圧受電機器は各地域の電力会社と同じ仕様のものにしてもらう。民間企業と各地域の電力会社との間で移管に関する覚書を作成してもらうのがお墨付きとなるのだが、さすがにそこまではやらないだろう。

仕様指定が難しければ、破綻したときの設備に相当する費用を保証金として管理組合が預かるといった方法もある。現実にはまとまった資金を当初に管理組合に預けることはしないだろう。毎月の料金と相殺し保証金を貯蓄する方法が現実的だと思う。

割引率が10%だとしたら、それより下がった割引率(例えば8%)になるだろうがリスクは回避できる。これを前提に比較するのが賢い方法だとも言える。

甘いビジネスには裏がある。マンションは特に住人全員に関わる問題なので、慎重に導入を検討する必要があろう。

 


 



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