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エレベーター

エレベーターのリニューアルって大変?

2018年4月1日

 

日本のエレベーターやエスカレーターは、技術や安全性の面では世界でトップクラスを誇る。

そして、作り手やメンテナンス会社の意識だけではなく、日本人の「メンテナンス意識の高さ」、これが安全性へと繋がっている。

特に分譲マンションにおいては、この意識はとても高く、エレベーターのリニューアルの在り方について関心を持たれている方が多い。これは私が管理会社時代に実感させられたことでもある。

普段生活する中で当たり前に利用しているエレベーターなのだが、このリニューアルに関心を持たれるのは築20年を超えたあたりからではないだろうか。その時期にエレベーター会社や管理会社からリニューアルの話を持ちかけられ、そこで気付かされることが多いと思う。

そこで具体的な修繕方法とか実施にあたっての問題点を知ることになる。

エレベーターのリニューアルについて、前もって知っておくべきこと、今回、これについて語りたい。



リニューアルの種類

エレベーターのリニュアルの種類は「全撤去新設リニューアル」「準撤去リニューアル」「制御リニューアル」の大きく3つの工法がある。

全撤去新設リニューアル

全撤去新設リニューアルは、建物からエレベーターの既設品全ての機器を撤去し、最新の機種に取り替える工法を言う。このリニューアルは、工期が25日前後と長いことから、大規模修繕工事に付随して行われることが多い。工事内容は、エレベーターの本体工事にとどまらず、建築関連工事や電気設備工事が付随して行われ、エレベーター本体工事にこれらの費用が加算されるため、工事金額は他の方式に比べるとかなり高くなる。このリニューアルにおいては、建築確認申請の届出が必要になる。

目安工事費 ☞ 1,500万円前後

準撤去リニューアル

準撤去リニューアルは、建物の躯体に取り付けられた機器(マシンビーム、カウンターウェィト、ガイドレール、乗場の三方枠など)は再使用し、巻上げ機、制御盤、ロープ、カゴ、乗場扉などを最新の機種に取り替える工法を言う。このリニューアルは、建物の躯体に取り付いた機器を外すことなく行うため、工期が15日~20日程度と全撤去新設リニューアルに比べると短い。工事内容は、エレベーターの関連部品がオーダー品となる場合が多く、本体の工事代が高くなる傾向がある。このリニューアルにおいては、建築確認申請の届出が必要になる。

目安工事費 ☞ 1,000万円前後

制御リニューアル

制御リニューアルは、制御改修(インバーター制御)、カゴ改修(インジケーター関連)、乗場改修など、部分的に経年劣化した部品を主に取り替える工法を言う。このリニューアルは、交換部品を最小限に抑えることができるため、工期は1週間程度と短い。エレベーターが1基しかないマンションでは、この工法を採用されるケースが多い。このリニューアルにおいては、建築確認申請の届出は不要となる。

目安工事費 ☞ 500万円前後 

どの工法を選択するかは、エレベーターの基数、劣化状態、利用状況、予算などを鑑みて管理組合が決めることになるのだが、現在、長期修繕計画の中にある修繕仕様がどの工法に該当するのか、事前に把握しておくといい。

目安工事費については、メーカーや付加仕様などによって工事費は変わってくる。見積も十数年前と現在とでは大きく異なったりもするので注意が必要だ。

また、長期修繕計画にこのリニューアルが計画されていない場合は、将来的な実施に備え、修繕計画の中に加えることが望まれる。



リニューアルは大変

エレベーターのリニューアルの時期は、一般的に25年から30年と言われているが、新築時からマンションに住まれている方は、その年数分が加算された年齢のときにリニューアルが行われる。若いときとは違って、中高年になると階段の上り下りは正直しんどい(笑)。

このリニューアルにおいては、エレベーターが完全に停止するから、普段の生活に支障を来す。特に階段の上り下りが困難な方、高層階に住まれている方は不便になる。工事期間中の入居、転居などに伴う引越しも制約が出てくる。

リニューアルにあたっては、工事仕様や費用だけでなく管理組合として色んなことを考えなくてはならない。

特にエレベーターが1基しかないマンションでは、生活上の不便さが増すだろう。だから、短期間で行える制御リニューアル(部分リニューアル)を採用されるマンションが多い。

私の管理会社時代にとあるマンションのリニューアルに立ち会ったときの話になるが、とても感動した思い出がある。

エレベーターが完全停止している中、10階に住まれている足の不自由なおじいちゃんをエレベーター会社の作業員の方が背負って、一歩一歩ゆっくり階段を下りていくシーンを目の当たりにした。

真夏の暑い中、その作業員の額には汗が流れ、正直大変だったと思う。その光景を見て「リニューアルって本当に大変なんだ」、それを実感させられた。

いざ工事が始まれば、想定外のことも起こり得るだろう。出来る限り短く実施することは必須と言えるが、工事内容によっては、作業を夜間に行うことで昼間にエレベーターが稼働できる状態を設けることができたりもする。その場合、深夜料金が工事費に上乗せされる。

実施にあたっては、エレベーター会社との打ち合わせの中で、支障を最小限に抑える努力は管理組合として欠かせない。

 

 


 



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