マンションを買ったときに既に管理会社が決まっている。これに疑問を抱く方はおそらくいないだろう。
ビジネスの社会では、契約の取引先は慎重に選ぶ。そして取引先企業の与信などを調べるのが当たり前に行われている。相手を間違えれば死活問題になるからだ。
管理組合も同じことが言える。管理会社(相手)を間違えれば、マンション管理の良し悪しに影響が及ぶからだ。
デべロッパーの子会社だから安心、大手企業だから安心という考え方は軽率である。もっと相手のことを知るべきである。
管理会社のメリット
管理会社が行っている事業の多くは、集約型ビジネスと言われるものだ。
マンション管理というのは、複数の業務で構成されている。管理組合の会計業務、理事会・総会の会場予約、会場設営、関係資料作成などの管理運営業務、清掃業務、管理員業務、設備点検業務などがこの業務に該当する。
これらを集約し業として行っているのが管理会社である。
ひとつの会社に委託すれば、大半の業務を代理で行ってもらえる。これが管理会社に委託する最大のメリットと言えよう。
管理会社のデメリット
管理会社に全ての業務を委託すると管理組合の自主性が失われる。そして管理会社主導によるマンション管理体制が出来上がる。
この管理体制は、無関心の助長、割高な管理委託料、繰り返される不正、そして資金不足に陥る末路を生む。
このブログサイトで再三語っているが、管理会社は営利事業者である。管理組合の健全な管理運営よりも己の利益を優先する。管理費目当てに商売しているのが管理会社なのだ。
完全依存は管理組合にとってハイリスクを生む、このことは是非知っておいてほしい。
管理会社の利益を知る
管理会社というのは、管理組合から得られる収益によって事業が成り立っている。管理会社の決算内容は、自社のホームぺージ、マンション管理業協会の会員であれば、当協会のホームページで会員の決算内容の一部が公開されてる。
私は管理会社の決算内容をよく調べる。マンション管理業協会の会員の決算内容を知りたければ、「マンション管理業協会 管理会社名」、このキーワードで検索すれば、ネット上で閲覧できる。
営業利益は企業努力によって生まれる、企業としては当たり前なのは分かっているが、視点を変えれば「儲け過ぎ」という見方もできる。
私はこの視点に着目して決算情報を閲覧している。おそらく私だけであろう(笑)。
管理会社からしてみれば「儲け過ぎ?」、大きなお世話だと思われるだろう。
管理会社が下請け業者をこれでもかと叩くように、儲け過ぎの管理会社をそれ以上に叩きたい。この叩く行為によって価格競争が一層増すであろう。
私の理想は、リプレイス価格に全てのマンションを統一させ、料金格差を設けさせないことだ。競争に勝てない企業はどんどん淘汰されていくであろう。
本来集約型ビジネスというのは、スケールメリットによって価格は下げられる。このスケールメリットが管理組合に還元されていない、この実情が腹立たしく思う。
管理組合は相手のことをもっとよく知るべきだ。