マンション管理会社は半世紀以上の歴史がある。この長い間、淘汰されずに今日に至っているのだが、時代が確実に変わっている一方で、やっていることは昔も今も変わらない。
マンション管理会社はこれからも必要な存在? もしそこに自負があるとすれば、それは大きな間違いである。
管理会社の存在意義
今の管理会社を一言で例えるなら「場当たり管理」、これが管理サービスになっているように思えてならない。先を見据えない管理…
そして利己主義の管理体制がそこに存在したりもする。敢えて断定はしないが…
私の管理会社時代もそうだったが、今もこの業界にいる多くの知人たちから勤め先の管理会社の愚痴を聞かされる度に、半世紀経っても変わらない業界だとつくづく感じる。
場当たりではなく、先を見据えることができる管理会社ってこの世に存在するのだろうか?
管理会社は己の存在意義を正しく理解していない、そこに問題があるように思える。
間違った会計報告、利己主義的な提案、場当たり的な対応、言われないとしない管理サービスだとすれば、プロとしての自覚が欠けているように思える。
言いたいことをそのまま書き綴っているわけだが、自分たちのマンションにそれを当てはめてみるとどうだろう。個々に意見が異なると思うが一度考えてみるといい。。
マンション管理の委託先の細分化
昔と今で変わったことがある。それはマンション管理士の誕生である。しかしながら、マンション管理士の活躍する機会が少ないという実情がある。
マンション管理士に期待されるもの、それは、専門性、先見性、中立的な立場の助言ではないだろうか。
管理会社に日常の管理業務を委託し、マンション管理士から適切な助言を受ける。これが理想なのかも知れないが、助言なら管理会社がいるだろう、そこに二重のコストは不要と考える管理組合の声をこれまで多く聞いてきた。
管理会社が提供するパッケージサービス、これが管理組合の意向と合致するから委託契約が成り立っていると思うが、「委託先の細分化」という市況に変われば、少なからず管理会社の淘汰は進むと思う。
パッケージサービスとは、包括契約のことであり、管理会社に連絡すればすべて対応してくれる、だから便利だと考える方が多い。
委託先の細分化とは、マンション管理に関わる業務のそれぞれを専門業者に委託することを意味する。
マンション管理には、機械警備、清掃業務、会計業務、フロント業務、管理員業務、設備点検業務など複数の業務が存在するが、機械警備は警備会社に直接委託することができるし、清掃業務、設備点検業務も同じだ。管理員業務については、直接雇用に抵抗があるなら、派遣会社を活用すればいい。
また、フロント業務については、マンション管理士(事務所)に委ねるといったやり方が可能となるだろう。ただし、会計業務については、会計業務の監査を行う企業は存在するが、会計業務のみを引き受けてくれる企業は一部のマンション管理事務所に限られる。
ずいぶん前に同じことをブログに書き綴っているが、会計業務の代行会社が増えれば、委託先の細分化が図りやすくなる。
マンション管理士の活躍の機会をもっと増やすには、会計業務の代行会社を増やす、それが課題になるだろう。
管理会社は危機的状況に陥らないと自らの存在意義に気付けない。時代は確実に変わっているので、この先「管理会社」という呼名が無くなるかも知れない。