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マンション管理会社|フロント担当者の離職率が高い理由!

2017年4月10日

 

マンションのフロント担当者が頻繁に入れ替わる。それは人事異動ではなく、退職によるケースが多い。退職者の中には短期間で辞める社員は少なくない。どうして続かないのだろう。

悪い言い方になってしまうが腰掛け社員が多いことがまずひとつ挙げられる。マンション管理の仕事が楽そうに思える。これはマンションに派遣される管理員にも同じことが言える。理想と現実、そのギャップが大きいから長くは続かない。

マンション管理の仕事は容易ではない。マンションに関わる色んな知識が求められるし、諸所の適応力とか将来を見据えた先見性なども必要になる。会合の際に必要となるパブリックスピーキング能力など、身につけていなければフロント担当者は務まらない。

マンションには色んな価値観を持たれた複数の所有者(オーナー)がいらっしゃるし、その所有者で結成された管理組合が存在する。そしてマンション毎に管理に対する価値観は異なる。

日々尽きることのない緊急対応、居住者からの様々な要望や相談、フロント担当者は的確にそれらを対応していかなければならない。昼夜を問わず携帯電話を片時も離せない日々、総会、理事会の準備に追われる日々、休む暇がないという現実がそこにはある。

 

大勢の所有者の前で話をする機会が多い。不手際があれば総スカンを食らうこともあるし、個人の評価がそこで下されることもある。

ときにはマンション内の嘔吐物の処理、糞尿の処理、ゴミ置き場の分別処理も対応しなければならないし、住人間の揉めごとの仲裁に入ることもある。決して楽な仕事ではない。

実際にこの仕事をやってみないと仕事のしんどさというのは分かるまい。



本当の理由はここにある

仕事がしんどいのは何の商売でも同じである。楽な仕事がもしこの世にあるのなら、それは長くは続くまい。だが、辞めていくフロント担当者の本当の理由はしんどさだけではないのだ。

実は多くのフロント担当者には共通する悩みがある。真面目なフロント担当者ほどこの悩みは深い。マンション管理の仕事をやりたいと考える人は、真面目で几帳面なタイプが多い。真面目さ故に悩まされることがある。

企業の価値観と管理組合の価値観は互いに相反する。この企業と管理組合の間に立って仕事をしているのがフロント担当者である。企業は営利主義、一方の管理組合は節約志向である。この価値観の違いに苦悩を抱くのだ。

 

フロント担当者にも情はある。管理組合と長く付き合えば親しみを覚える。これは管理組合も同じであろう。

企業の経営陣は売上重視、この売上が暴利であったりもする。それを知っているフロント担当者は口には出さないが納得はしていない。

具体例を挙げる。

管理組合が管理会社に対して毎月支払っている管理委託料がある。管理組合毎に管理委託料に料金格差が生じている。同じサービスでも料金格差が存在することをフロント担当者は当然に知っている。

自分の担当している管理組合の管理委託料を見て「これはあまりに取り過ぎでしょう」、そう思ったところでその企業の社員だから口には出せない。

経営陣から修繕工事で30%の利益確保のノルマ、この命令にも従わなければならない。それが暴利と分かっていても社員としてそうしなければならない。

 

この売上重視という考え方は、管理組合のみならず取引先の業者にも及ぶ。企業の利益を確保するため、点検費や工事費を下請け業者に値引かせる。

経営陣の考えは質よりも金である。フロント担当者はこの経営陣の考え方にいつしか嫌気を覚える。そして両者の間に挟まれ押し潰される。これが本当の退職理由ではないのか。

だから仕事に対して自信が持てない、いったい何のために誰のために仕事をしているのか分からなくなる。これがしんどいと重なり退職に至ってしまう。

これがこの業界で人が育たない理由ではないだろうか。

 

<追記>

これは離職者の多い管理会社に言えることであって、全ての管理会社がそうとは限らない。最近、パワハラなどの労働問題で管理会社の考え方は、昔とは違い改善されていると思う。これを追記しておく。

 

 


 



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