管理会社

マンション管理会社の管理委託料の値上げの実態に迫る!

2020年2月11日

 

マンション管理会社の管理組合に対する考え方というのは、以前に比べると大きく変わりつつあります。

 

時代の変化に合わせる、これはビジネスでは当然のように思えますが、そこに顧客の理解と支持が得られないとすれば、単なる自己都合に過ぎません。相手のことも考えての変化、これってとても重要なことだと私は思います。

今回、「管理委託料の値上げの実態に迫る」と題して、この真意について少し考えたいと思います。最後まで読んでいただけたら幸いです。

 

管理委託料の値上げ

近年、管理会社側から管理組合に対して、管理委託料の値上げの提案がなされる、そんな話をよく耳にします。そこで、管理組合が値上げに応じないケースも出てくるでしょう。

このやりとりの中で、管理会社との関係が悪化し、管理会社の方から管理委託契約の解除の意思表示がなされる、そんな流れになっている感は否めません。

 

 

時代の流れ

管理委託料の値上げは、今に始まったことではなく、昭和のバブル期に平然とそれが行われていた時代がありました。平成に入りバブルが崩壊してからは、いつしか値上げという概念を管理会社は持たなくなりました。

長引く景気低迷の中で繰り広げられてきたのは、リプレイスに伴う管理委託料の値下げ合戦です。言い方を変えれば、管理委託料の叩き合いです。

そこには、管理会社が生き抜くための葛藤が垣間見れます。同時にインターネットが普及し、簡単に情報が得られるネット社会、そして、管理組合を支援するNPO法人などの第三者の影響が、少なからず管理会社変更を加速させた要因になっているように思えます。

 

 

そして再び…

近年の日本の景気は、リーマンショックの4年後(2012年9月)あたりから今日まで急激に景気が回復してきました。

株価の上昇、求人数の増加、最低賃金の底上げ、不動産の価格上昇など景気の改善は身近に感じることができます。

 

 

その景気上向きの影響により、管理会社の考え方はまた再び変わろうとしています。自らで下げたものを今度は上げるという策に転じているということです。

 

その背景には…

管理会社が管理委託料の値上げや管理委託契約の解除の意思表示を、管理組合に対して行うには相当の覚悟が必要になります。当然、経営に影響してきます。

しかしながら、それに至る理由がそこにあります。その要因になっているのは、人件費の高騰、仕入価格の上昇、人手不足、顧客となる管理組合側の要望の変化などが挙げられます。

 

出典:日本経済新聞

 

人件費の高騰

日本政府は、働き方改革実行計画に基づき、最低賃金(時給)を全国平均千円にする目標を掲げています。既に東京、神奈川では千円を超えていますが、これにより全国的に最低賃上の底上げが順次進んでいます。

昔は当たり前に存在したサービス残業、今では労働基準監督署による取り締まりが強化され、裁判所による厳しい判決などにより、残業の多い企業においてはその負担は決して小さくありません。

マンション管理会社の業務上における残業というのは、他の業種に比べると多い方の部類に属します。管理会社にとって、最低賃金の底上げ、残業代などの負担増は、経営に大きく影響します。

 

仕入価格の上昇

管理会社の多くは、業務の大半を外注に依存しています。取引先の業者もまた、この人件費の高騰などで苦しい立場にあります。そこで前述の管理会社と管理組合の関係に似た値上げのやりとりが行われたりもします。

仕入れ価格が上がれば、管理会社はその分利益が減ってしまいます。そこで管理委託料の値上げは余儀なくされます。

 

人手不足

マンション管理会社の求人は相変わらず多いです。特に管理員やフロントマン、技術系の求人はよく目にします。

これは大手企業、中小企業に関わらず人手不足は続いています。離職率の高い業種になるから、常に働き手を求めるのは当然のように思えます。

管理員の給与の多くは、時給がベースになっています。なので、最低賃金の上昇により管理会社の負担は増えているのが実情ですが、この最低賃金で募集しても中々求人が集まらないという企業側の苦悩をよく耳にします。

 

 

フロントマンもまた、〇十時間残業代込みで募集されているケースが目に付きます。月給ベースで募集段階から高く設定されていたりもします。そうしないと求人が集まらないという実情が垣間見れます。

経験者もまた、より良い条件を目指して別の企業に転職されたりもしますが、そこで企業が経験者を雇用する場合、相応に待遇を用意しないと来てもらえないという実情がそこにあったりもします。

今の時代、賃金は上がることはあっても中々下げられないという事情が、管理会社に存在するように思えます。



管理組合側の要望の変化

管理組合側の要望の変化、きっとこのブログに訪れた管理組合関係者の皆さんは、既にお気付きのことかと存じます。

今はネット時代ですし、何か疑問に感じたらすぐにネットで調べることができ、ある程度の情報はそこで入手することができます。

例えば「管理委託料が高い」、この疑念を持つとすれば、そこで色々調べてみると管理委託料が高い理由を見つけ出すことができます。そこで委託先の管理会社に対して、値下げを要求することもあるでしょう。

管理会社は何をなすべきか、他のマンションではどのようにしているのか、それが今はネットを通じて知ることができます。ひと昔前は、管理組合同士の交流会を開催したり、人に聞かない限り、知る術はありませんでした。

時代の変化に伴い、マンションに色んな設備が設置され、管理会社はそれに対応しなければなりません。そこで色んな業務が増え、管理組合の要望も多岐に渡り、管理会社はそれをこなすことができない状況下に置かれていると思います。

仮の住まいから永住志向へと変わっている、これが近年垣間見られる管理組合側の要望の変化に繋がっていると思います。

 

出典:平成30年度マンション総合調査/国土交通省

 

デべ系と独立系の考え方の違い

デべロッパー系の管理会社は、自社ブランドを管理するという目的がそこにあります。管理会社を変えられることに関しては、変な言い方に聞こえるかも知れませんが、かなりプライドを傷つけられます。

管理会社を変えられる、それは親会社であるデべロッパーに対しての面子とか恥的な意識を持つところがあります。私はデべ系に長らくいたので、それは身近で感じました。

なので、これまで管理委託料の値下げに対しては、解約を阻止するためにある程度柔軟に対応されていたと思います。デべ系でも自社ブランド以外のマンションを管理することがありますが、愛着の度合いはかなり違うと思います。

そこで、前述の管理組合側の要望とか、クレームの多い管理組合に対しては、失礼な言い方に聞こえるかも知れませんが、取り捨てが目に付きます。

管理会社の評価を上げるために、自社ブランド以外のマンションのリプレイスに力を入れてきた企業は、自社ブランドのマンションよりも管理委託料をかなり安くして管理を受注しています。そこで採算が合わないなどの理由から、取り捨てが行われています。

一方の独立系管理会社は、自社ブランドを持たないため、行き着く先、費用対効果による判断を迫られています。特に上層部の考えは、顧客よりも社員を大事にする、そんな風潮が強くなっているように感じます。

独立系は、デべ系のように棚ぼたはありませんから、管理物件を増やすノウハウには長けています。営業力という強い武器があるので、無くしても新たに受注すればいい、そんな考え方が管理会社の上層部に垣間見れます。

独立系管理会社の上層部の知人に会うと、そんな話をよく耳にしますし、独立系は薄利多売という経営体質があるから、その点はデべ系に比べると事務的に割り切れる部分があるのかも知れません。

これらは私のこれまでの経験、そして見聞きした話による見解になりますが、そんなに大きくズレてはいないと思います。

これから管理組合が真剣に考えなくてはならないこと、それは管理会社への依存体質を無くすことだと思います。管理会社にあまり依存しすぎると、最後に痛い目に遭うということです。

管理会社の考え方が変わっても、それに合わせる必要が果たしてあるのでしょうか、その問いかけに対する答えを、これからの時代、管理組合自身で見つけていく必要があるのかも知れません。

 

 








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